投資家が日本株買いをためらう「4つの理由」 日本株を「枕」に2018年を迎えても大丈夫か

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2017年もあとわずか。株は「年末高で2018年を迎える」とみていいのだろうか(写真:genki / PIXTA)

米国の利上げなど、世界の金融イベントは順調に進み、米国の主要3指数はともに史上最高値を記録している。税制改革法案も今週中成立の公算がほぼ確実だ。また原油価格もモミ合いながら、中東の混乱なども材料にニューヨーク原油先物市場では1バレル=60ドル超えの方向で動き始めている。また米金利の動きが鈍いとはいえ、ドル円相場も1ドル=112円台から113円台にとどまっている。

売る外国人投資家、個人の信用買いはなお増加も

18日、日経平均株価は前週末比348円高の2万2901円となり、(約1カ月の平均売買コストである)25日移動平均線を回復した。しかし日本株は、日銀金融政策決定会合(20~21日)を控えているとはいえ、FOMC(米公開市場委員会)、ECB(欧州中央銀行)の予想どおりの金融政策発表から考えると、先週の日経平均の4連続安はあまりに弱かった。先週末は一時、25日移動平均線を割った。

何が原因だったのか。FOMCの結果と今後の利上げ予定が若干ハト派的で米金利上昇が鈍く、想定よりもドル高(円安)にならないからなのか。連動性は薄れたとはいわれるが、為替と株は神経質に影響し合っている。112円台では株は買えないのだろうか。

単純に、外国人が売り越しになったためか。確かに外国人投資家現物先物合計では、9月第2週から8週連続で計5兆3268億円の買い越しから、11月第2週には売り越しに転じ、ここまでは5週連続計1兆3947億円もの売り越しだ。需給の上では大きい数字だ。売り越し金額そのものは少なくても、買い越し期間中には日経平均は約3600円上げた。この主力エンジンが回転を止めただけでも、場の状況は変わる。

一方、個人投資家の現物売りは続いている。だが、信用取引は7週連続買い越しで、買い残は3兆円台に乗せた。これをもってリスクと見る向きもあるが、買い残の目先のピークは2015年8月の3兆5870億円、2014年1月の3兆5241億円と、まだここまでの水準には5000億円程の余裕がある。しかも、市場が26年ぶりの高値更新ならば、残高は2006年2月当時の5兆9836億円に向かっていってもおかしくはない。

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