出口治明氏「69歳で大学学長へ転身」の舞台裏 ライフネットと立命館APU、実は似ている

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山田:APUの課題は何でしょうか。

出口:APUはすごくいいことをやっている。それなのに、まだあんまり知られていない。先日、ある女子中学校で「おカネって何? 働くってどういうこと?」という講義をやっていたんです。30人ぐらい中学生がいたので、黒板に大きくAsia Pacific University、APUと書いて、「知っている人、手を挙げてごらん」と言ったら、知っているのは1人だけだった。

先生にお聞きしたら、「1人進学しました」と、「すごくいい大学です」とおっしゃっていたのでうれしくなったんですが、知名度が本当に低いですよね。

APUは玄人受けする大学

山田:ブランドとか伝統ではなく実質で勝負をしているので、玄人受けする大学でしょうね。考えるのが面倒な人にとってみたら、いちばん安心なのはブランド力のある伝統校です。そういう意味では、実はライフネットも似ていると思うんですよね。

出口:似ていますか。

山田:ブランドじゃなくて実質ってところが似ています。自分たちのやっていることがいかに先進的なことであるかを時間をかけて説明して、それの実質価値を評価した人に入っていただくという点がそっくりだと思います。

出口:そうかもしれませんね。でも本当に僕もびっくりしているんですよ。学長に選ばれてから、いろいろな本を読んだりホームページを見たり、ちょっとずつ勉強しているんですが、なんでこんなにすばらしい大学があることを十分知らなかったんだろうと。本当に知れば知るほどいいことをたくさんやってるので、もっともっと知られてほしいという気持ちはありますよね。

山田:そうすると学長としての役割の1つは広報活動ですね。

出口:ええ。ブランディングを含めて、せっかく先生方や職員の皆さんや学生の皆さんがすばらしいことをやっているんで、もっともっと知ってもらいたいし、もっともっと応援してほしいと思います。学生も積極的で、今日も学生から「お正月にパーティをやるから来てください」という誘いが来ました。「まだ予定がわからないので、行けたら行きます」と返したんですが、こうした学生に会うのが楽しみですね。

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