プロバスケ「Bリーグ」2年目に直面する正念場 観客数300万人に向けた展望をトップが語る
Bリーグ設立の背景の一つには、男子バスケット日本代表の強化もある。11月24日からは「FIBAバスケットボールワールドカップ2019 アジア地区 1次予選」が始まり、2020年には東京五輪も控えている。代表を強化し国際試合で勝てるチーム作りをするためには、Bリーグの明確なビジョンも不可欠だ。
「まずはBリーグを選手育成や強化につなげられるようにしたいです。この2年間でリーグの事業規模が大きくなり、NBAで100~200試合に出場した選手が当たり前のように日本でプレーするようになりました。今後は代表だけでなく、クラブチームにも世界と交流できる場を設けていきたいという思いもあります」(大河)
2020年の東京五輪に向けた強化人材として、名コーチとして知られるアルゼンチン人のフリオ・ラマス氏が日本代表のHC(ヘッドコーチ)に2017年4月に就任。前述のワールドカップ1次予選でも指揮を執っており、人材交流は少しずつ進んでいる。
「ラマス氏は、バスケットの名門レアルマドリードにも在籍経験があります。サッカーで有名なレアルマドリードはバスケットのプロチームも保有しており、バスケット界でも世界的な強豪チームとして知られています。今後はクラブやリーグの単位でも、スペインのような強豪国をはじめ、各国との試合や人材交流を積極的にやっていきたいと考えています」(大河)
選手においても、Bリーグの強化策が実り、横浜ビー・コルセアーズの下部組織に所属する15歳田中力が代表予備登録メンバー24人の中に選ばれるなど、若い世代も育ちつつある。
「今後は、来シーズンからB1チームのクラブに設立を義務付けたU-15チームなどを軸に、より一層力を入れていきたいです。U-15のチームも3年後にはU-18になります。プロリーグと協会が連携して長期的な強化計画を持つことでよい指導者が生まれ、学校の部活以外にも選手を育成する環境が整う。今はその取り組みを始めている段階です」(大河)
スクールを通じた普及活動が人材強化へ
「クラブが『競技の裾野を広げる』ためにやるべきことはスクール活動ですね。たとえば、サッカーの横浜Fマリノスは、3000~4000人近いスクール生が在籍しています。バスケットでも、将来的にはチアも含めて1000~2000人くらいのスクール規模を持つチームが出てきてほしい、そんな思いです」
「あとは現在34都道府県でBリーグのチームが活動していること自体も普及活動の1つだと思います。今後、全国各地にプロチームが増えていくと思います。地域にクラブがあることが、将来の日本バスケット界を担う人材育成につながっていくのではないでしょうか」(大河)
日本初のプロバスケットボールリーグとして2年目を迎えたBリーグだが、これからが本当の勝負だ。
2020年の東京五輪も控える中、バスケを日本に文化として根付かせていかなければならない。「バスケットをメジャーに」を合言葉に、どこまで情熱を持って取り組んでいけるか。それは選手だけでなく、Bリーグにかかわるすべての人に必要となってくる。
“ブレイク・ザ・ボーダー(境界を壊せ)”
壮大なる日本バスケット界の挑戦は始まったばかりだ。
(文中敬称略)
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