日本株は今すぐにあせって買う必要はない

テクニカル面ではもう一段の下落の可能性も

MRFはいずれ株式相場が下落した局面で株式や投信の購入代金に充てられ、相場の下支え役となることが期待される。しかし、運用会社や証券会社はマイナス金利が適用されるMRFの長期滞留は、コスト負担となる悩ましい問題も抱えている。

米国最大の年金マネーが投資方針転換を検討し始めた

だが、国内ではこうした待機資金が積み上がっているのだが、一方で、株式にとってはやや不安な材料もある。米国最大の年金マネーが投資方針の転換を検討していると伝えられているからだ。

米国最大の公務員年金であるカルフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)の運用総資産は、約39兆円。カルパースは、株式50%、債券19%を目安に配分している。今後は高値圏で推移している株式の下落リスクに備え、株式比率を引き下げる一方、債券比率を引き上げる見通しだ。カルパースの資産配分は4年ごとに見直され、2017年12月の会合で今後の方針が明らかになる。

日本株の売買シェアは海外勢が約7割を占める。足元の海外勢は2ヵ月足らずで計2.5兆円超も買い越し、日本株の急騰につながった。ヘッジファンド等を中心とした短期資金、年金基金等を中心とした長期資金の双方が日本株を買い越しているようだ。ただ、米年金の運用方針の転換は世界的な株高の流れを変えうることもあるだけに、引き続き海外勢による売買動向に注視したい。

中長期では、日本株の上昇期待はまったく崩れていない。2017年10月の衆議院選挙で与党が大勝したこともあり、日経平均株価は前出のように、歴史的記録となる16連騰を演じた。11月も好調な国内企業業績を背景に海外勢が大幅に買い越し、26年ぶりに一時2万3300円台を回復した。これは、平成バブル時の高値と崩壊後の安値の半値戻し水準である2万2985円(1989年12月高値3万8915円→2003年4月安値7054円)も上回った。相場格言でいう「半値戻しは全値戻し」を声高に叫ぶ相場関係者も珍しくなくなってきた。

ただ、日経平均ではなく、東証1部の時価総額で見ると、実はすでに「全値戻し」を達成している。上記の1989年12月のバブル期の時価総額は606兆円だったが、2017年11月は一時670兆円超となり、過去最高水準を更新した。日経平均株価は2000年4月に日経平均株価の構成銘柄を大幅に入れ替えた経緯があり、どうしても時系列データとしての歪みが存在する。その意味で、日経平均株価の全値戻し(=3万8915円)のハードルはまだまだ高い。

次ページ短期的には「日経平均2万1100円台」も想定
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