広島-東京「新幹線vs飛行機」の仁義なき戦い 航空の最終便繰り下げで「夜の競争」が激化

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広島発東京行きの新幹線最終列車は20時01分発の「のぞみ64号」だ(筆者撮影)

だが新幹線も負けていない。広島駅20時01分発の東京行き最終列車「のぞみ64号」は、新横浜駅に23時27分、品川駅に23時38分、終点の東京駅には23時45分に到着するが、実は日中時間帯の「のぞみ」よりも乗車時間が短いのだ。

これは、通過駅での追い越しなどが少ないために高速で運転される区間が続くからであり、広島から新横浜まで3時間26分、品川まで3時間37分、東京まで3時間44分で到着する。通常は広島から東京駅まで4時間近くかかるが、最終列車は昼間より短い乗車時間で東京駅に到着できる。

速く便利な「のぞみ64号」だが、東京行きの最終列車だけあって広島駅だけでなく岡山、新神戸、新大阪、京都、名古屋の各停車駅からの乗車も多く、基本的に車内は混雑している。平日でも満席になる日もあるので、利用する場合は早めに予約をしておくのが賢明だ。筆者が広島を訪れた際にも、「のぞみ64号」は広島駅発車直前の段階で新大阪駅までは空席が多くあるものの、東京駅までは残席がわずかになっていた。

飛行機も新幹線もほぼ同時着

飛行機を利用した場合、広島発羽田行き最終便のANA690便は23時00分に羽田空港に到着する。空港から都心へ移動する時間を考えると、「のぞみ64号」とほぼ同じ時間帯の到着といってもいいだろう。

広島空港に到着したリムジンバス。広島駅からは約50分かかる(筆者撮影)

一方、市街地にある駅に乗り入れる新幹線と比べ、飛行機は市内と空港間のアクセスに時間を要する。多くの人が感じていることであろうが、広島空港は広島駅や広島バスセンターのある紙屋町など市内中心部からの距離が離れており、リムジンバス利用で広島駅から空港までは約50分かかる。筆者が広島駅20時15分発のバスに乗車したときは、ANA690便が出発する30分前の21時04分に広島空港に到着した。広島バスセンターから空港までは約1時間かかり、最終便に間に合うためのバスは19時58分発となっている。

ただ、広島―羽田間のフライト時間は1時間25分で、新幹線の乗車時間と比べると半分以下のため、長い時間新幹線の車内にいるよりは飛行機移動のほうが楽だという人も多い。

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