暗い気持ちで下す決断は100%間違っている ひとりぼっちの時間が一瞬の判断力を高める

拡大
縮小

それは、人生を大きく左右するような決断をするときには、自分の心が暗く澱んでいないかということを、しっかりと確かめておくということです。なぜなら、暗い気持ちで下した決断は、百パーセント間違っているからです。追い詰められた精神状態のときには、大胆な決断は避けなければいけません。

極度の緊張や、疲れ果てた精神状態の時には、判断力が鈍ります。財布を落としたり、約束をすっぽかしたりといった、普段だったら絶対しないようなミスをするのは、だいたい忙しかったり、プレッシャーのかかる仕事や人間関係によって追い詰められている時なのです。

大きな決断に迫られたときほど不安定

このことについては、多くの方が同意されるでしょう。しかしながら、実はここには、ちょっとしたジレンマがあります。それは、大きな決断を迫られているときほど、私たちは平常心ではない、という現実です。

どんな非常事態にあっても、冷静で、落ち着いて、明るく、さわやかな心境を保てる肝の据わった人というのは、そうはおられません。

実際、転職や独立、結婚や離婚など、大きな決断に迫られたときほど、私たちの心はざわつき、澱み、疑い深く、不安定な状態にあるのが普通です。それは決して、平常心とは言えないはずです。

無理解な上司や、諍いの絶えない家族への怒り、あるいは、これから自分が歩もうとしている道への不安。人生の岐路に立っている人の心の中には、さまざまな感情が渦巻いているはずです。

では、どうすればいいのか。実は、このジレンマを解く答えは、単純明快なものです。それは、一時的に群れの人間関係から距離を取り、心を落ち着けてから判断する、というものです。

人生を変えるような大きな決断をする前には、必ず群れから離れて、「ソロタイム=ひとりぼっちの時間」を過ごすこと。群れの価値観や常識からいったん手を放し、心を落ちつけ、明るく、さわやかな自分を取り戻す。それから決断をすれば、大きく判断を誤ることはなくなります。

次ページソロタイムをバカにしてはダメ
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT