「ゼクシオ」のゴルフクラブが売れ続ける理由 累計2000万本は世界一の水準、今後の戦略は

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ただ、ゴルフ規則を統括するUSGA(全米ゴルフ協会)やR&A(全英ゴルフ協会)が飛びに対するゴルフクラブの規制を強化して、2006年からは体積460㎤以下、クラブ長さ48インチ以下、そして2008年からはクラブヘッドの高反発規制が始まり、数値でその値が明確になった。

ゴルファーが飛距離を体感できるか

ゴルフ規則を守りながら、前モデルより飛ぶことを使命とする「ゼクシオ」は、ヘッド単体だけでなく、シャフトやスイングまで踏むこんだ開発を進めている。それを如実に語っているのが、「ゼクシオ」に関する特許件数である。

「ゼクシオ」の2000年の初代から2016年モデルの9代目までの登録特許(特許が成立したもの)は95件を数えている。その中でヘッドに関するもの53件、シャフトに関するもの33件、スイングに関するもの9件とヘッドだけでなくクラブ全体にわたって特許登録している。日本国内のメーカーで比較した場合、単一ブランドで最も多い特許取得数のようだ。ブランドが長期間にわたって続くことでノウハウが蓄積され、特許数を増やすこともできていることが要因だ。

「ゼクシオ テン」の商品イメージ。ゼクシオ史上最大の飛距離を実現したという(筆者撮影)

特に、スイングに関するものは2014年モデル、2016年モデルで合わせて9件と新しいモデルで使われている。10代目の「ゼクシオ テン」については、22件の特許申請中とのことで、飛ばすための努力を続けていることがわかる。

その結果、記者発表では「ゼクシオ テン」は前モデルより5ヤード飛び、初代と比較すると40ヤード飛んでいる」と明言している。ゴルファーがこの飛びを体感できるか、発売が待たれるところである。

「レジャー白書」によると初代「ゼクシオ」が発売された2000年の日本のゴルフ用品市場は4740億円、2016年は3310億円で、ゴルフ用品市場の縮小傾向は続いている。その中で「ゼクシオ」が17年間連続で年間売り上げNo.1を続けてきたことは驚異である。この快進撃が続くのか、あるいは新しいライバルが出てきてこれを阻止するのか。「ゼクシオ」がゴルファーの支持を継続して得られるかにかかっている。

嶋崎 平人 ゴルフライター

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しまさき ひらと / Hirato Shimasaki

1976年ブリヂストン入社。1993年からブリヂストンスポーツでクラブ・ボールの企画開発、広報・宣伝・プロ・トーナメント運営等を担当、退職後、ライターのほか多方面からゴルフ活性化活動を継続。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。

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