スマホ3位「ファーウェイ」、掟破りの経営力

社内のエリートを社員自身が選抜する仕組み

新製品「honor9」は、若者やファミリー向けの中価格帯機種。ダブルレンズの高性能カメラを搭載しながら、価格は5万円台。当面はMVNO4社が販売する(写真:ファーウェイ・ジャパン)

そして最後に、ファーウェイは強力なオーナーシップ型企業でもある。創業者の任正非・副会長の持ち株比率はわずか1.4%。だが任氏は、取締役会決議における拒否権を保有している。ほかの取締役がすべて賛同しても、任氏がノーといえば覆されるのだ。

任氏はCEOの肩書きも持つが、ビジネスに直結する日々の判断は、輪番CEOの3人が下している。機動的な判断が求められる部分は輪番CEOが担い、企業の長期的な方向を決める部分については任氏が大きな舵取り役を果たす、という仕組みのようだ。

英米型ガバナンスが正解ではない

9月に中国・深センのファーウェイ本社を訪問した早稲田大学大学院経営管理研究科(ビジネススクール)の入山章栄准教授は、「こういった興味深いコーポレートガバナンス(企業統治)の仕組みが、ファーウェイの企業戦略の土台となっている」と指摘する。

入山准教授とともにファーウェイ本社を取材し、この成長企業の力の根源を探ったレポートが、「週刊東洋経済」10月14日号に掲載されている

日本でも近年、ガバナンスの議論が盛んで、株式の所有と業務の執行が明確に分かれた英米型の統治をよしとする識者が少なくない。だが入山准教授は「こういった“きれいなガバナンス”が業績にプラスになるという証拠は、経営学的には必ずしも確認されていない。むしろ同族企業など、時に不透明感の残るガバナンスをしている企業のほうが、高い経営パフォーマンスを示している」という。

日本企業の手強いライバルであるとともに、年間約3800億円の部品や素材を日本企業から買い付け、顧客かつパートナーともなったファーウェイ。この巨大企業の成長の仕組みは、知っておいて損はない。

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