ユニ・チャームが「高級ペット食」に励む理由 ドッグフード市場は縮小でも新商品を投入
「ムーニー」や「マミーポコ」など、幼児用紙おむつを手掛けるユニ・チャーム。そんなユニ・チャームがこの秋に高級ドッグフードシリーズ「グラン・デリ」の新商品を投入した。
9月19日に発売した新製品は水分を多く含むウェットタイプと呼ばれる商品群。レトルトパウチや缶に充填されたドッグフードで、今回はビーフ入りとなんこつ入りを展開する。販売店舗によって異なるが、価格は税抜きで350円前後という設定だ。
ドッグフード市場は停滞
実は近年、ドッグフード市場は縮小傾向にある。2014年度に967億円だった市場規模は2016年度に926億円に落ち込んでいる(富士経済調べ)。市場停滞の背景にあるのが小型犬の流行だ。
2000年代前半に消費者金融のCMでチワワが登用されたのをきっかけに、日本では小型犬人気が高まった。ユニ・チャームのペットケア開発本部に所属する平野哲也氏は「レトリバーなどの中・大型犬に比べると、小型犬は食事の量が15分の1程度にすぎない」と話す。小型犬の増加で大容量タイプのペットフード需要が縮小したことが、市場の落ち込みにつながっている。
こうした状況下にもかかわらず、ユニ・チャームがドッグフードの新商品投入に踏み切ったのはなぜか。平野氏は「最近では1頭にかかる餌の量が減ったことで、飼い主が高品質な餌にコストをかける傾向が出てきた」と指摘する。そこで目をつけたのが、付加価値の高いペットフードだった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら