ユニ・チャームが「高級ペット食」に励む理由 ドッグフード市場は縮小でも新商品を投入

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ユニ・チャームが高級ドッグフードの商品を初めて販売したのは2014年のこと。当初はドライタイプといわれる、粒状で乾燥させた商品からスタートした。原材料には生肉の角切りビーフや小魚を使用するなど、飼い主からのさまざまな要望に応える形で商品化した。

飼い主だけではなく、犬の好みもそれぞれ異なることから、「いろいろな試作品を犬に食べてもらい、どれがいちばん犬の味覚に合うのか甲子園のようなトーナメント方式で発売する商品を絞っていった」(グローバルマーケティング本部の小竹康正氏)。

食の悩み解消を狙う

2017年4月に発売した「グラン・デリ ワンちゃん専用おっとっと」は、今秋に新たなフレーバーを投入(写真:ユニ・チャーム)

飼い主からは食べ物の好き嫌いや食べ残しなど、食に関する悩みの声も多く聞かれるようになった。そこで登場したのがウェットタイプだ。ドライタイプに比べてにおいが強く、食いつきがいいとされる。かむ力が弱い老犬でも食べやすいのも特長だ。

そのほか、今年4月には森永製菓と共同開発した「グラン・デリ ワンちゃん専用おっとっと」といった犬用のおやつも発売するなど、ユニークな商品も展開している。

高級ドッグフードに力を入れているのはユニ・チャームだけではない。「ぺディグリー」など展開するマース社も積極的に商品を投入している。消化しやすい自然素材を使用した「ニュートロ」というシリーズは年々ラインナップを拡充するなど、販売は順調に推移している。

ユニ・チャームといえば、おむつ大手というイメージが強い。同社の業績を見ると、幼児・大人用おむつや化粧用品などを扱うパーソナルケア事業が売り上げ全体の約9割を占める。他方、ペットフードなどを含むペットケア事業は1割程度にすぎない。グローバルマーケティング本部の小竹氏は「まずは認知度を高めていくために、テレビCMも投入していく。高級ドッグフードの代名詞がグラン・デリでありたい」と意気込む。

ドッグフード市場が縮小する中で、ペット関連事業を新たな柱として確立することができるか。幅広いニーズに応えた高付加価値商品の投入を継続できるかがカギとなる。

若泉 もえな 東洋経済 記者

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わかいずみ もえな / Moena Wakaizumi

東京都出身。2017年に東洋経済新報社に入社。化粧品や日用品、小売り担当などを経て、現在は東洋経済オンライン編集部。大学在学中に台湾に留学、中華エンタメを見るのが趣味。kpopも好き。

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