09年の再上場は不可能 時期も言える状況にない−−谷 真 すかいらーく社長

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09年の再上場は不可能 時期も言える状況にない−−谷 真 すかいらーく社長

創業者の横川社長を解任し、経営体制を刷新した背景とは。

2006年のMBO(経営陣による買収)で、野村プリンシパル・ファイナンスと英国系ファンドCVCの2社が株主となった。両社は業績改善が見込めないことを理由に、横川社長の解任を要請していた。いちばんの問題は、経営改革のスピードが遅れた点にある。株主2社は2年間、経営に口出すことなく、待っていただいたと思う。しかし、地方を中心に中華業態「バーミヤン」や和食「夢庵」が想定以上に苦戦した。早期に閉店すべきだったが、判断が後手に回ってしまった。結局、MBO後の経営目標数値を4回下方修正することになった。組織も11本部が横並びで、連携が取りづらかった面もある。

創業家をめぐり内部対立があったのではないか。

対立はないし、社員一丸となってしっかり営業している。創業家の4名には、現在も社員全員が尊敬の念を持っている。ただ、急速な多店舗展開や業態開発だけでなく、マーケットの環境に合わせてお値打ちを提供する経営も必要だと、この3年間で感じていた。株主2社は成長していた時代の経営でなく、データに基づく経営が必要だと考えていた。私も同意見だ。経営方針が一致したこともあり、社長の就任要請を引き受けた。

株主側が求める経営目標の具体的な数値はあるか。

09年末でEBITDA(利払い、税引き、償却前利益)で483億円の達成がMBO契約時の基準だった。現在はその半分ちょっとで推移しており、かなり乖離している。今期も赤字の見通しだが、数値見直しは考えていない。

今後、新社長としてどのように経営再建を進めていくか。

9月下旬までに09年度から3年間の中期計画を策定し、ファンドと銀行の承認を得るよう努力する。まずは赤字を回避することだ。状況次第だが、バーミヤンと夢庵を中心に最大350店を閉鎖し、一部をコア事業のファミレス「ガスト」へ転換を進めて効率を上げる。また、社員の中途採用を抑制して約500人規模のリストラを実施する。ノンコア事業の小僧寿しなど、赤字子会社の売却も考えている。

横川前社長がサントリーに出資を仰いだが、増資の必要性はあるか。また、MBO時に掲げた09年再上場の見通しは。

すかいらーくとしてサントリーに増資の依頼をしたことはない。前社長の個人的なつながりの中で公表されたことだ。増資は数百億円規模で必要だが、中期計画に基づいて銀行と株主2社に相談のうえ決める。09年の再上場は不可能で、現時点で再上場の時期を言える状況にない。

(山本亜由子 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済)

たに・まこと
1951年富山県生まれ。77年関東学院大学経済学部卒業、すかいらーく入社。2000年にバイキング業態の子会社ニラックス社長を経て、07年10月にすかいらーく常務執行役員。8月12日より社長就任。

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