三菱「ランエボ」復活に持ち上がる期待と不満 エンジンはルノー「メガーヌ」と共通化へ

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それとは別に、次期ランエボでエンジン以外に採用してほしいルノーの技術がある。4WS(4輪操舵システム)だ。次期メガーヌR.S.は4WSを採用すると公表している。ルノーが4WSを使うのはこれが初ではなく、欧州では普通のメガーヌなどにも搭載している。個人的にはこの4WSを4WDと組み合わせて次期ランエボに搭載してはどうかと思う。

歴代ランエボは、4代目の「エボⅣ」で初採用されたAYC、左右後輪の駆動力を変えることで旋回性を向上するデバイスなど、ハイテクを積極的に採用することで異次元のハンドリングを獲得していた。ランエボのブランドイメージにも4WSは似合うのではないかと思っている。

電動化への期待

そしてもうひとつ、これはしばらく先かもしれないが電動化への期待もある。「ランエボがEV?」と思うかもしれないが、実は2005年にインホイールモーターを4輪に組み込んだランサーエボリューションMiEVを開発し、実験走行を行った実績がある。

フランスやイギリスが将来的にエンジン車の販売停止を考えていることはニュースでご存じの人も多いだろう。でもルノー日産グループは三菱を含めてEVの経験は豊富だ。

ゾエe-スポーツとフォーミュラEカー

このうちルノーはEVのF1といえるフォーミュラEにも参戦しており、初年度から3年連続でチームタイトルを獲得している。そのイメージをアピールすべく、今年のジュネーブモーターショーでは三菱「i-MiEV」と日産「リーフ」の中間に位置するEV「ゾエ」をベースにした「e-スポーツコンセプト」を発表している。

ゾエe-スポーツコンセプトは前後にモーターを1個ずつ配した4WDで、最高出力は466ps、最大トルクは65.1kgmに達する。わずか3.2秒という0-100km/h加速の数値は先ほど紹介したアウディR8と同じだ。

このパワートレインがランエボに搭載されたら……。ありえない話ではない。だからパワーユニットの出自にはこだわらず、まずは復活の日を拍手で迎えていいんじゃないだろうか。

森口 将之 モビリティジャーナリスト

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もりぐち まさゆき / Masayuki Moriguchi

1962年生まれ。モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。著書に『富山から拡がる交通革命』(交通新聞社新書)。

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