三菱「ランエボ」復活に持ち上がる期待と不満 エンジンはルノー「メガーヌ」と共通化へ
「ランエボ」の生産復活を明言
三菱自動車の益子修CEOが6月末の株主総会で、「ランエボ」の愛称で親しまれつつ2016年に販売を終了したスポーツセダン「ランサーエボリューション」の生産復活を検討中と明言した。
このニュースをクルマ好きが歓迎したのは言うまでもない。自動車好きでランエボの名前を知らない人は、ほとんどいないだろう。セダン系の「ランサー」(最終モデルの日本名は「ギャランフォルティス」)の車体にハイパワーなエンジン、強靱な足回りを与え、専用の内外装で固めたクルマだ。1992年10月に初代が登場。ファンを中心に一部で絶大な人気を誇り、10代目までモデルを重ねたが2015年に生産中止となっていた。
ところが、ランエボ復活宣言がなされた後の報道から、一部のファンは落胆している。次期ランエボは、いまや三菱と同じグループに属するルノーのスポーツモデル「メガーヌ ルノー・スポール(R.S.)」のエンジンを搭載するという内容だったからだ。
エンジンは自動車の心臓であり、走りを象徴するスポーツカーにおいては自社開発となるのが当然と考えるクルマ好きは多い。それだけに、ランエボにルノーエンジンが搭載されるというニュースは、ファンに複雑な思いを抱かせたようだ。
初代ランエボはトヨタ自動車でいえば「カローラ」とほぼ同じクラスの小型セダンに最高出力250PSのハイパワーエンジンを搭載。モデルチェンジごとに走行性能を高め、最終モデルで最高出力313PS、最大トルク43.7kgmというこのクラスでは1、2を争うハイパワーが売りの1つだった。対するメガーヌR.S.は273PS、36.7kgmにすぎない。この点も不満かもしれない。
しかし両ブランドを擁するルノー日産グループは、数ある自動車グループの中でももっとも積極的にパワートレインやプラットフォームの共用化を推し進めている組織である。スポーツモデルとて例外ではない。
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