スマホ「音声アシスタント」機能は戦国時代だ グーグル、アップルにアマゾン、サムスンも!

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そしてもう一つ、見逃せないのが韓国・サムスン電子である。同社は今年に発売したフラッグシップモデル「Galaxy S8」「Galaxy S8+」に、独自AIを採用した音声アシスタント「Bixby(ビックスビー)」を搭載したのだ。

Galaxy S8発表会で披露されたサムスン独自の「Bixby」。普段の行動を把握し、適切な情報を提供してくれるのが特徴だ(著者撮影)

Bixbyはスマホの操作などからユーザーの行動を把握し、ユーザーが求める要素を提示してくれるアシスタントだ。

音声によるアシスタント機能に加え、時間や場所に応じてユーザーが必要としている情報やアプリを提示してくれる機能も搭載。音声だけでない多角的な機能でユーザーをアシストすることが特徴だ。

ちなみにBixbyは、Siriの元開発者が独自の音声アシスタントを開発していた企業をサムスンが買収し、その技術を活用して作られたといわれる。現在、Bixbyは韓国語以外の対応が遅れているなど、開発途上という印象も強い。だがサムスンは世界最大のスマホメーカーだけに、独自の音声アシスタントを採用したことの影響力は決して小さくない。

AIプラットフォーム争いの真の勝者は?

スマホに音声アシスタントを搭載するという動きに加えて、最近ではフェイスブックやLINEなどのメッセンジャーアプリを提供する企業が、AIを活用したチャットボット(AIを活用したチャット専用のロボット)に力を入れている。それらも音声認識を取り入れ、音声アシスタントとしての色を深めてくる可能性がある。多くの企業がスマホ上の音声アシスタントの座を目指して参入し、戦国時代の様相を呈しつつあることが理解できるだろう。

最近はグーグルの「グーグルホーム」やLINEの「WAVE」などが発売され、AIスピーカーに対する注目度が高いが、それよりも多くのユーザーはスマホに接している時間の方が圧倒的に長い。ゆえに、今後訪れるであろう、スマホ上の音声アシスタント競争を勝ち抜いた企業こそが、AIプラットフォーム争いの真の勝者となる可能性が高いのではないかと、筆者は考えている。

もっとも、1つのスマホに複数の音声アシスタントが搭載されることは、混乱を招く要因にもなりうる。音声アシスタントを提供する各社には今後、AIの性能や使い勝手の向上だけでなく、自社の音声アシスタントを真っ先に呼び出してもらうための、プロモーション活動が必要になるかもしれない。

佐野 正弘 モバイルジャーナリスト

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さの まさひろ / Masahiro Sano

福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける

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