高田馬場で「学生ローン」が復活を遂げた理由 心理的抵抗が薄れいきなり借りてしまう例も

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しかし東京各地に点在していた学生ローン街は、少子化や経営者の高齢化、2006年の貸金業法改正の影響もあって淘汰が進んだ。

ただ、生き残った業者は好況の恩恵に浴している。高田馬場のある大手学生ローン業者の顧客数は、2010年代初めまでは減少傾向にあったが、ここ2〜3年で増加に転じた。早稲田大学のおひざ元だが早大生の顧客比率は徐々に下がっており、今では1%ほどだという。

顧客層が広がった一方で「カネを借りているという意識が希薄な学生もいる」(業者)。学生自らが稼いだうえで足りない分を借りるのではなく、いきなり借りてしまうのも最近の特徴だという。

借金への心理的抵抗が薄れてきている

早大のある男子学生は、旅行に行くため10万円を借り入れた。サークル内で誰かが学生ローンの話をしていたのが頭に残っていたからだ。アルバイトで稼ぐには時間がかかりすぎ、親にも迷惑をかけたくなかった。「学生ローンはほかのサラ金に比べてイメージがいい。学生ローンで借りたと言ったほうがまともと思われると思った」と話す。

小口融資でも、一定の収入がないにもかかわらず学生が安易に借り入れを続ければ、債務に苦しむことになる。ある男性利用者(23)は「パチンコで負け続けて学生ローンに頼った。結局、そのローン30万円は親に返済してもらった」と言う。

『週刊東洋経済』7月15日号(バックナンバー)の特集「新・借金地獄」ではこうした学生ローンだけではなく、若年層の間で借金への心理的抵抗が薄れている現状を取り上げている。ネット上の「ツケ払い」サービスも同様で、若年層の間に急速に浸透している。

ただ、これらは将来に自分が得る収入から前借りしていることに違いはない。借金が身近になった結果、若者たちは正しい金融知識を得るよりも先に借金の喜びを覚えていく。その深刻さはもっと議論されていい。

石阪 友貴 東洋経済 記者

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いしざか ともき / Tomoki Ishizaka

早稲田大学政治経済学部卒。2017年に東洋経済新報社入社。食品・飲料業界を担当しジャパニーズウイスキー、加熱式たばこなどを取材。2019年から製薬業界をカバーし「コロナ医療」「製薬大リストラ」「医療テックベンチャー」などの特集を担当。現在は半導体業界を取材中。バイクとボートレース 、深夜ラジオが好き。

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