楽天 早くも海外事業でリストラ EC事業をテコ入れ
楽天は、「楽天市場」の海外進出に、早くもブレーキをかけている。今年5月の台湾を皮切りに、欧州などを含めて27カ国で展開するとブチ上げていたが、海外展開のために設置した国際市場統括部門の陣容のうち、3分の2を直接の営業現場に配置転換、海外事業の準備・企画を行う部隊を3分の1に縮小した。
今年2月の欧州拠点進出の際には、三木谷浩史社長は「欧州だけでも日本の楽天市場の数倍になる」といっていたが、台湾事業の立ち上がりが遅れ気味のほか、他の地域での準備も思惑通りに進んでいない模様。8月8日に発表した08年6月中間決算では、楽天市場を主力とするEC事業部門は、前年同期比で22%の増収となったものの、営業利益はマイナス1%の減益となった。日本の楽天市場事業は堅調だったが、オークション、書籍販売が赤字だったことに加え、海外展開のためのコストが足を引っ張った。
全社ベースで見ても、かつて利益源だった証券事業は相場の低迷で苦戦、旅行事業も採算悪化が続いている。信販など金融事業は急回復したとはいえ、これは前期に利息過払い関係の引当金を一括で積んだためで、実態が急回復したわけではない。そのうえ、塩漬け状態のTBSの株価も下がる一方で日々含み損が膨らんでいる。
屋台骨のEC事業の回復は急務で、海外展開もリストラモードに入れざるを得ないというわけだ。
(丸山尚文 =東洋経済オンライン)
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