自民党が震えた「創価学会婦人部」の影響力

都議選で「完勝」した公明党の存在感

「都知事選のときから婦人部で『小池さんが好き!』との声が多かったのは事実です」

そう打ち明ける学会関係者は、婦人部をこう評する。

「婦人部は民意そのもの。庶民目線で日常の課題と向き合ったり、テレビを見て感じたりしています。選挙となれば口コミや横のつながりで最大の貢献をしてくれるのは婦人部です」

政権弱体で改憲の誘惑

ほかの地方選挙でも、公明の堅調ぶりが目につく。今年1月の北九州市議選で、公明は13人全員当選で2議席増。6月の兵庫県尼崎市議選でも12人全員当選の3議席増で、10年ぶりに最大会派に浮上した。

ある政治ジャーナリストは、こう話す。

「安倍政権は、安保法や共謀罪法、そして憲法改正と、公明党や学会婦人部が嫌がることばかりをやってきた。対自民ストレスがたまってきた中、学会員が非自民の枠で都議選に臨み、勝ったという意味は大きい」

18年目に突入する自公連立は、全国レベルで選挙の協力関係が進み、すぐに解消に向かうとは考えられない。ただ、これから自公の関係に影響を与えそうなのが、安倍晋三首相の改憲戦略だ。一橋大学の中北浩爾教授(政治学)は、こう分析する。

「安倍首相が政権の弱体化を意識すればするほど、宿願ともいえる改憲を何としても実現したいという誘惑にかられるはずです。自民総裁の3選断念と引き換えにしてでも、改憲を優先させることもあり得る」

安倍首相は、憲法9条について、「現在の1項、2項は残しながら、自衛隊の意義と役割を書き込む」と加憲案を示した。しかし、安倍加憲案をめぐっては公明党や創価学会で意思統一されていない。「9条に手をつける」という前提についても内部で温度差があるのが実情だ。ある公明党国会議員は、こう釘を刺す。

「公明に配慮した案であるのは間違いないが、真剣に議論するには政治リスクと、政治的資本のバランスをどう図るかが問われます。リスクを取って改憲に踏み込むのであれば、われわれが望む一線は守ってもらいたい」

前出の中北教授は、公明の政権内での立ち位置を注視する。

「公明は安倍政権のタカ派的な政策を抑制する役割を果たしていますが、あくまでエンジンブレーキ。安保法制や共謀罪法の成立過程で、前に進みながら減速させているだけとの批判もありました。都議選で集票力を見せつけた公明の真価がいよいよ問われます」

(編集部・渡辺豪)

※AERA 2017年7月17日号

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