最速ポルシェを排したランボルギーニの実力 ルックスとスペックだけが派手じゃない
ランボルギーニのニューモデル、ウラカン ペルフォルマンテは空気の力で速くなる!? モータージャーナリストの吉田匠が、かつてのF1サンマリノGPの舞台、イモラ・サーキットで試乗した。
ランボのイメージを変えた!
ランボルギーニの最新モデル、ウラカン ペルフォルマンテは画期的なクルマである。
画期的なポイントはまず、ニュルブルクリンク北コース、ノルトシュライフェでポルシェ 918スパイダーの持つラップタイム記録を5秒も短縮し、市販ロードカーの新たな記録(6分52秒01)を樹立したことだ。918はV8エンジンに加えて電気モーターを2基そなえるハイブリッドカーであるのに対して、ペルフォルマンテは自然吸気V10という、古典的なパワーユニットのみでそれを達成したのも特筆に値する。
ペルフォルマンテが画期的な点その2は、ポルシェ最速モデルのラップ記録を破ったことによって、世のクルマ好きが抱いているランボルギーニのイメージを、一気に刷新したことにある。
近年その傾向は確実に改善されつつあったとはいえ、ランボルギーニというと、ルックスとスペックの派手さが命と思われ、実質的な速さに関してはあまり認識されていなかったといえる。ところがペルフォルマンテは、ランボルギーニが本当に速いクルマを生み出していることを、周囲に有無を言わせず認識させたのである。
しかもその速さを達成した方法がまた、粋なものだった。その手法は4つあり、新しいカーボン・コンポジット素材を適所に用いたことによって、40kgの減量を果たした軽量化がその1。吸排気系に手を入れて、5.2リッターV10 NAエンジンに30psと40Nmを上乗せしたのがその2。スプリング、ダンパー、スタビライザーからブッシュまで、4輪ダブルウィッシュボーン・サスペンションのすべの仕様を見直した、シャシーの強化がその3だった。