新駅で消える山手線「低すぎるガード」の秘密

「高輪橋架道橋」が消滅に向けカウントダウン

ゴーゴーと上を通る大音響に「キャーッ! ウワ――!」とみんな大騒ぎするが、その声もレールの音にかき消されがち。山手線が通り過ぎると「ワッ、なんか水しぶき。ほら、服が少し濡れてる!」とまた大騒ぎである。

私など昭和の列車の垂れ流しトイレを経験している者としては、ドキッとする。ガード下で上を列車が通ると、汚物が降ってくることが本当にあったのだ。ここも昭和のムードが横溢(おういつ)する場所。一瞬その時の記憶がよみがえって頭の中が混乱したが、これは屋根の上の冷房機から降ってきた水であることに気が付いた。

「電車の冷房の水だから大丈夫だよ」

タクシーはぎりぎり、左の男性は腰をかがめて歩く(筆者撮影)

小学生に声をかけると、「エー! 汚くない? よかった」と安心していた。

その隣の京浜東北線田町方面行きは、山手線をオーバークロスするために少し高架となっている。なんだか遊園地のジェットコースターのようでもある。さらに進むと、頭上はコンクリート天井が続くようになる。明かりがあるものの暗い。古いトンネルを進む感じだ。

天井にぶつからないかと、時速10キロメートル程度でそろそろと走る車、頭を下げながらゆっくりと進む自転車があるかと思えば、かなり飛ばして通る車、前傾姿勢でスピードを上げて通る自転車もある。ここに慣れていない人と慣れている人の違いだろう。

やっと向こう側に着く。その先には、高架橋が見える。新幹線の車庫への線路である。

山手線や京浜東北線の車窓からも、注意して見ていると、眼下にこのガードがちらりと見える。

ガードの今後に対する区の見解は?

品川新駅はこのすぐ南側にでき、一帯は「グローバル ゲートウェイ 品川」と呼ばれるプロジェクト地として再開発される。高輪橋架道橋はその域内に入るので、昭和の亡霊のようなこのガードが生き残れるはずもない。

それではいつまで通れるのか。何やら廃線となる路線を今のうちに訪ねたい気にもなってくる。この道路は港区の管轄なので、港区の担当者に今後の予定を聞いた。

結論からいえば、「現在調整中なので、いつどうなるか言明できない」とのことだった。同じ場所に地下道を造り直す予定だという。

逆にいえば、いつ工事が始まりこのガードが閉鎖されてもおかしくないのである。運命は風前の灯(ともしび)なのだ。訪れるなら、田町駅や品川駅から歩いてもいいが、都営地下鉄・京急泉岳寺駅からだと、A1、A4出口どちらからでも徒歩2分くらいで行ける。

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