森友問題、安倍首相はケリを付けるべきだ 昭恵夫人が関係していた疑いが濃厚に
この書面は、ほとんど黒く塗られており、読むことができない。籠池氏の住所や電話番号、国有地の所在地などを除いて、ほとんど秘匿されていたのだ。籠池氏のほか、森友学園の籠池町浪現理事長と学校法人森友学園の開示同意書をとっているにもかかわらず、財務省が開示しないのは、なぜなのか。
その理由は、設立趣意書の左側にある黒塗りの部分に「安倍晋三記念小學院」という学校名が書いてあるから、というのが福島議員の見立て。籠池氏から「安倍晋三記念小學院と書いた記憶がある」と聞いたからだ。このあまりに強烈なインパクトのある学校名が影響し、さまざまな忖度(そんたく)がなされて特例措置が行われたのではないか、ということだ。
「どう見てもこの黒塗りから始まり、特例が認められているとしか思えない。籠池氏によれば、近畿財務局には総理の携帯の番号や昭恵夫人と撮影した写真を見せて交渉を行った。これは総理が言うように、利用された可能性もある。しかし進捗状況は、昭恵夫人に適宜連絡している。昭恵夫人も『主人に伝えます』とか『何かありますか』と籠池氏に言ってきた。それを聞いて籠池氏は『うれしかった』と言っている」
昭恵夫人が「関係」している疑いは濃厚といえるだろう。
求められる安倍首相の「決断」
安倍首相は、こうした追及に対して冷静に応じてみせている。
「籠池氏の証言に基づく一方的な発言だ。私は小学校に名前を使用することを断ったが、結局は1年数カ月も使われていた。にもかかわらず、非難されるのはどうかと思う」
確かに安倍首相の言い分は理解できる。籠池氏に利用されたという面はあるのだろう。しかし、民進党が攻撃の拠り所としているのは2月17日の衆議院予算委員会における安倍首相の発言だ。「私や妻が(私立小学校の認可や国有地払い下げに)関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」という発言である。ポイントは、妻が関係していた場合にも辞める、と発言していること。昭恵夫人の関与が濃厚であることから、この部分を執拗に突いているわけだ。福島議員は質問の最後に、昭恵夫人の証人喚問を求めた。疑惑追及はまだまだ続く。
「すでに私は何時間、何十時間も話した。97兆円の予算を横に置いておいて何時間、この森友問題にばかり質問される」
安倍首相のこの発言に首肯する読者も多いかもしれない。民進党による森友学園問題への”執着”は、民進党の支持率低下にもつながっている可能性はある。しかし、97兆円の本年度予算は、すでに3月に成立済み。野党が森友学園問題を徹底追及せずに腰砕けになってしまえば、閣僚の"緩み"が目立ち始めた安倍政権は、ますます緩くなりかねない。
安倍首相もやり過ごすのではなく、自らケリを付けるべきだ。昭恵夫人の証人喚問を行って関係を断固として否定するのか、あるいは不本意ながらも関係していたことを認めた上で2月17日の発言を撤回するのか。「決断」をするのが筋だろう。
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