大手生保が熱視線、急拡大する「経営者保険」 年率7~8%増、国内で数少ない成長分野

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日本生命が販売する中小企業経営者向け保険。伸びしろの大きい市場だけに、各社とも積極的に新商品を投入している(編集部撮影)

少子高齢化や低金利の長期化に苦しむ国内生命保険マーケットにあって、残された数少ない成長分野が存在する。中小企業経営者向けの保険市場だ。

経営者向け保険は、経営者が働けなくなった際の企業存続の備えや、役員退職金の準備などに活用される。

主要生保各社の話を総合すると、市場規模(新契約年換算保険料ベース)は6000億円とも7000億円とも推計されており、年間7~8%のペースで伸び続けている。約3.3兆円規模(2015年度、生命保険協会調べ)の個人保険・個人年金保険市場の2割程度を占め、「東京オリンピックのある2020年までは、年5~8%のペースで伸びていく」(第一生命保険の山口健・営業企画部長)と期待も大きい。

第一生命は昨年9月に中小企業経営者向けの新商品「TOP PLAN エクシードU」を発売した。返戻率(払い込んだ保険料の合計に対する解約時の返戻金の比率)が相対的に高いことと、経営者の要介護リスクに備えることができる商品性が当たり、今年3月までの約半年間で160億円、申込件数ベースで1.2万件を売り上げる異例のヒット商品となった。

販売チャネル別に見ても、代理店経由、営業職員経由とも契約数を満遍なく伸ばした。「代理店チャネルの開拓をもう一度進めるうえで、経営者向け保険は有力な武器になるし、営業職員にとっても、中小企業への営業のパイプができた」(山口部長)と手応えを感じている。

住友生命が新たに取り扱い

さらに昨年10月、経営者向け市場がにわかに動意づくニュースも飛び出した。大手生保の一角、住友生命保険がオランダ系のエヌエヌ生命保険との業務提携に踏み切ったのだ。

住友生命は今年4月、役員退職金や運転資金などの資金ニーズに対応できる「生活障害定期保険」と「逓増定期保険」の2商品の販売を開始した。住友生命が自社開発でない生保商品を自社の営業職員チャネルで取り扱うのは、2005年1月からのアリコジャパン(当時)のがん保険販売以来のことだ。

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