「UR高級マンション」民間運営でどうなった? 宝の持ち腐れになっていた都内一等地物件

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これだけの物件であれば、長く人気を維持できていいものだが、URはこれまでリバーシティ21にかぎらず、民業圧迫といわれることを懸念して、所有物件のPRをあまりしてこなかった。しかも、高齢者ならかつての住宅公団といえばわかるが、最近の若者からするとUR自体があまり知られていない。

賃料はそれなりだが、室内がそれに見合っていないのが残念なところ。きちんと手は入れられているが、現状に戻すだけでは経年に追いつかない(筆者撮影)

また、URの物件は残念なことに、それが都心の高額物件であっても非常にダサい。建物そのもの、配棟計画などは優れており、安心してゆったり住めるのだが、室内に関してはおざなりというか、チープというか。都心で20万円以上の高額物件となると、立地、専有面積に加え、空間としての質も問われてくるが、そうした配慮がなく、5万円の部屋でも、30万円の部屋でもほぼ同じような設(しつら)えなのである。

加えて、二十数年前の住宅は風呂、トイレなどの水回りが極端にコンパクトで使い勝手が悪い。少しずつ、改修はしているようだが、間に合っていないのが現実だ。

家賃が2万~3万円下がっている部屋も

その結果、不動産会社のケン・コーポレーションが運営を開始した2016年10月時点では1808戸のうち、300戸ほどが空室。2014年時点の稼働率は80%程度と、湾岸エリアのほかのタワー賃貸住宅のうちでは非常に低い水準だった。そのため、民間事業者はまず、稼働率を上げようと新規募集では賃料を下げている。

「まずは稼働率を上げて収益を改善し、そのうえで適切なリノベーションや設備交換を行い、建物の価値を高めたい。そのため、現時点では、以前より賃料が2万~3万円下がっている部屋もある」と、ケン・コーポレーション東京湾岸支店の田邊高明氏は話す。

民間による運営が始まって5カ月余。これまでなかった民間不動産ポータルへの物件情報掲載が始まったことで、探しやすさは一気に向上した。さらにモデルルームを作ったり、エントランスの家具などを新調したり、物件によってはフリーレントや家具付きなどの工夫を行うことなどで、新規契約は279戸になった。

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