8日の米国株式市場、ダウとS&P500が続落 エネルギー株が売られ株価全体の重しに
[ニューヨーク 8日 ロイター] - 米国株式市場は、ダウ工業株30種とS&P総合500種がいずれも続落した。エネルギー株が大きく値下がりし、株価全体の重しとなった。
S&Pエネルギー株<.SPNY>は約2.5%安。昨年9月以来、約半年ぶりの大幅下落となった。この日発表の米原油在庫が市場予想を大きく上回って増加し、原油相場が5%超下落した。
ソラリス・グループの最高投資責任者(CIO)、ティム・グリスキー氏は「(原油をめぐっては)減産という良いニュースも確かにある。ただ、特に米国では在庫が積み上がり、シェール生産事業者は現在の価格水準で稼ぎを上げ、生産が戻ってきている」と指摘する。
オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)がこの日発表した2月の全米雇用報告は、民間部門雇用者数が29万8000人増と市場予想の19万人増を大きく上回った。10日に発表予定の雇用統計も堅調な内容になることが想定され、米連邦準備理事会(FRB)が3月14─15日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げに踏み切る可能性が一段と高まった。
これを受け金利動向に敏感な不動産株が下落。S&P不動産株<.SPLRCR>は約1.5%安となった。
トランプ米大統領の政策が景気を後押しすることへの期待から、米主要株価指数は過去最高値水準付近で推移している。ただ、政策の詳細は依然としてほとんど分からないままで、株価上昇を抑制する要因となっている。株価のバリュエーションに対する懸念も強まってきている。
個別銘柄では、重機メーカー大手キャタピラー<CAT.N>は2.8%安。海外での税務・会計処理で不正があったとする政府委託の報告書についてニューヨーク・タイムズ紙が報じたことが悪材料だった。
一方、税務・会計サービスのH&Rブロック<HRB.N>は約15%高と、約8年ぶりの大幅上昇。
米取引所の合計出来高は約70億7000万株で、過去20営業日平均の69億4000万株を上回った。騰落銘柄数は、ニューヨーク証券取引所が2.74対1、ナスダックは1.45対1でいずれも下落銘柄が上昇銘柄を上回った。
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