JR東日本が「フィギュア」に乗り出したワケ ご当地ガチャが新たな「駅のおみやげ」に
絞り込みの過程では、製作を担う海洋堂サイドから希望が寄せられることもあるそうだ。こうして最終的に7〜8種類に絞られていく。さらに、上信越の越乃寒梅にラベル違いのものを入れるなどのシークレット要素も盛り込んでいる。
駅構内、NewDaysの店頭などにガチャが置かれているため、列車の待ち時間などに気軽に購入できる点も、ラッキードロップのポイントだ。「コレクターのような方もいらっしゃいますが、お子様連れ、女性グループなど、いろいろなお客様に楽しんでいただけています」。
専門店での商品開発ノウハウを活用
また、ラッキードロップ誕生の下地として無視できないのが、これまで培ってきた商品開発ノウハウだ。
JR東日本リテールネットは、駅構内で売店を営業していた鉄道弘済会を前身に持つ。分割民営化後に東日本キオスクとなり、今ではエキナカコンビニであるNewDaysを中心に専門店事業やデベロッパー事業を展開している。中でもNewDaysはJR東日本グループが自ら運営するコンビニ。売店タイプのNewDaysキオスクを含めれば、同社エリアに約800店舗を展開している。全国の鉄道事業者の中でも、自ら売店・コンビニの運営をしているのはJR東日本グループくらい。ここではオリジナル商品の開発も手がけており、そのノウハウがラッキードロップにつながったという。
「自社でやっているからこそオリジナル商品も含めて普通のコンビニと差別化していかないと生き残れない。駅構内の店舗なのでどうしてもスペース上の制限がありますし、さらにお客様の購買時間も短くなる。また、地方のターミナルの店舗なら出張・旅行のお客様がお弁当からお酒、お土産までひとつのお店で買いたいという声にも応えなければいけません。そうしたさまざまな条件を考えたうえで商品開発を行っています」
気になるのは、ラッキードロップの今後の展開。土岐取締役によると年間5シリーズ程度を目処にリリースを続けていく予定だという。
「『みちのく』『上信越』では広い範囲をまとめていますが、最初にリリースした『茨城』を見る限り対象エリアを絞り込む方が面白いかもしれません。ラインナップ選びの中に意外性をもたせることができるので」
これまでに「ラッキードロップ」が展開されていないのは栃木・埼玉・山梨の3県。果たして、未開拓エリアから登場するのか、それとも広いエリアから絞り込んだものになるのか…。今後の展開が楽しみだ。
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