武田、米アリアド社を約6300億円で買収へ がん領域を強化、買収は2月末までに完了

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 1月9日、武田薬品工業、 米アリアド・ファーマシューティカルズ(マサチューセッツ州)を買収することで合意した。写真は同社の東京本社、2009年7月撮影。(2017年 ロイター)

[東京 9日 ロイター] - 武田薬品工業<4502.T>は9日、 米アリアド・ファーマシューティカルズ(マサチューセッツ州)<ARIA.O>を買収することで合意したと発表した。1株24ドルで株式公開買い付けを行い、全株を取得する。株式取得金額は約54億ドル(約6300億円)。武田はこの買収により、がん領域を強化する。

アリアド社の取締役会は買収を承認している。買収は2月末までに完了する見込み。

買収は現金で行う。最大40億米ドルの新規負債と手元資金を充てる。

アリアド社は、慢性骨髄性白血病・特定の急性リンパ性白血病を対象とする治療薬「Iclusig」を有しているほか、遺伝的要因を有する非小細胞肺がんの治療薬「brigatinib」も臨床段階にある。これは、2017年前半に米国で承認される見通しで、その後もグローバルに承認申請を行っていく方針。ピーク時の売上高は10億ドル以上になると見込んでいる。「Iclusig」の2016年の売り上げ規模は1億7000万ドル―1億8000万ドル(約200億円前後)だという。

今買収の収益への影響については、2017年度は中立、2018年度までに実質的なコアアーニングスの向上に貢献するとの見通しを示している。

武田のフィナンシャルアドバイザーはエバーコア・パートナーズ、アリアド社はJPモルガン証券、ゴールドマン・サックス、ラザード。

 

 

(清水律子)

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