映画「君の名は。」にJR東海も惚れた理由 リアルな鉄道シーンの絵柄がIC乗車券に
どちらのデザインも使用に関して、JR東海は「君の名は。」製作委員会から許諾を得た。どうせ許諾を取るのであれば、駅と列車だけが映ったシーンよりも映画の登場人物が映っているシーンを使用すればさらに人気が出そうにも思えるが、「会社発足30周年を記念するデザインとして、キャラクターよりも新幹線や在来線のデザインが望ましいと考えた」とJR東海は説明している。鉄道会社ならではの考え方に納得するファンも多いに違いない。
新海アニメの特徴は実写と見まがうほどリアルなことだ。JR東海がTOICAのデザインに使用するのは、ある意味、絵のクオリティにJR東海が太鼓判を押したということかもしれない。
会社発足30周年を記念したTOICAは「君の名は。」の2種類だけではない。1989年に放映されたJR東海のCM「クリスマス・エクスプレス」のワンシーンもまたデザインに採用された。
幅広い年代にアピールする組み合わせ
JR東海は「クリスマス・エクスプレス」と銘打ち、1988~1992年の5年間にわたってクリスマスと遠距離恋愛中の恋人同士をテーマにしたCMを制作している。山下達郎の名曲「クリスマス・イブ」をバックに深津絵里、牧瀬里穂、RINA(高橋里奈)、溝渕美保、吉本多香美がヒロインを演じた。今回、TOICAのデザインに採用されたのは、1989年に放映された牧瀬里穂のCM。演じる若い女性が、新幹線に乗ってやってくる恋人を駅で出迎えるというストーリーだ。
クリスマス・エクスプレスシリーズ以外にも、JR東海は都会に出て就職する若者たちを応援する「ファイト・エクスプレス」、夏休みに子供たちが旅に出る「ハックルベリー・エクスプレス」といった人気CMシリーズも展開している。その中でクリスマス・エクスプレスの牧瀬里穂バージョンを選んだ理由について、JR東海は「会社発足当時に話題となり、印象深いシーンとしてこのデザインを選んだ」と説明している。
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