プーチン氏「2島さえ返さない」発言の衝撃度 日ロ首脳会談で北方領土問題は振り出しに

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これまで日ロ間では、1993年10月に細川護熙首相とエリツィン大統領が、「北方4島の帰属問題を解決して平和条約を締結する」という東京宣言に合意し、2001年3月には森喜朗首相とプーチン大統領が東京宣言の内容を再確認している。さらに2003年1月に、プーチン大統領は小泉純一郎首相との会談で、日ソ共同宣言や東京宣言など日ロ間の一連の合意を平和条約交渉の基礎であると確認した。

つまりプーチン大統領は「4島の帰属問題」を協議することを一度は認めていたのだが、いまはそれを完全に否定している。そして、安倍首相の発言を見る限り、日本側もそれを跳ね返すことはできなかったようだ。つまり北方領土交渉は振り出しに戻ったといえるだろう。

2島を返還すればロシア軍の活動は制約される

そればかりではない。プーチン大統領は共同記者会見で別の問題も提起している。記者会見の終盤に大統領は次のような発言をした。

「(1956年の共同宣言合意の時)米国のダレス国務長官が日本に対して実質的に最後通牒を突きつけた。もし日本が米国の利益に反することをするのなら、沖縄は完全に米国の管轄権に属すことになる、というものだった。なぜ私が今、この話を述べるのか。現在、ロシアはウラジオストック周辺に2つの大きな海軍基地を持ち、我々の艦船が太平洋に出て行く。一方、日本と米国の間には安全保障条約があり、条約上の義務を負っている。我々が柔軟性について述べる時、我々は日本の同僚と友人がこれらすべての微妙さとロシア側の懸念を考慮することを望む」

この発言は非常にわかりにくい。そのためか日本のメディアはほとんど報じていない。

まず、ダレス国務長官の発言は、当時の日ソ交渉過程で二島返還論受け入れに傾いた重光外相に対し、「承服しがたい。もし日本が国後、択捉をソ連に帰属させたら、沖縄をアメリカの領土とする」と述べた事件のことであり、この発言は「ダレスの恫喝」として知られる。当時は冷戦の真っただ中で、米国は日本がソ連に接近し西側陣営に風穴があくことを極度に警戒しており、ダレス長官の発言には日ソ交渉の進展を妨害する明確な意図があった。

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