ロハコの「主張しない日用品」はこう作られる 商品名が「前面に出ないこと」はメリットだ

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カップヌードルのストッカー。機能的かつ、かわいらしいデザインだ

LOHACO展にも、日清食品は「カップヌードルストッカー」を出品した。

「カップヌードルは食べたいし、ストックするにも便利だけど、部屋に無造作に置くのは嫌」。そんな若い女性の要望に応えるべく、社内のデザイナーやECマーケティング担当、EC営業担当で構成された女性だけのチームで考案したという。

「おしゃれにストックできるデザインや形状を、ああでもないこうでもないと議論しながら、約半年かけて完成させた」(飯田氏)。

ロハコはメーカーのトップも巻き込む

ラボは各社のトップを巻き込むことにも力を注ぐ。年に一度、アスクルがメーカー各社の経営層向けに実施しているコンソーシアムでは、スピーカーに資生堂の魚谷雅彦社長、ネスレ日本の高岡浩三社長などを迎え、ロハコならではのマーケティング手法の有効性をアピールする。「長い間培ってきた売り方と違うことをするには、やはりトップダウンでないと難しい」と木村本部長は語る。

ラボの挑戦はまだまだ道半ばだ。「日用品のみだったところから参加企業がいろいろなジャンルに広がって、今度は業界の垣根を超えたコラボレーションを考えられる段階になってきた」(木村氏)。今後は一緒に買われている商品のデータ分析を深掘りしていくなどで、異業種間のコラボレーションを行ったり、販促の効果を高められそうだ。

アマゾン、ヤフー、楽天のような巨大企業から個人商店まで、EC業界はプレイヤーが急激に増え、価格・ポイント競争で疲弊しがちだ。そんな中、各メーカーと共に「主張しない日用品」で勝負するロハコは、異色の存在感をさらに高めることができるだろうか。

長瀧 菜摘 東洋経済 記者

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ながたき なつみ / Natsumi Nagataki

​1989年生まれ。兵庫県神戸市出身。中央大学総合政策学部卒。2011年の入社以来、記者として化粧品・トイレタリー、自動車・建設機械などの業界を担当。2014年から東洋経済オンライン編集部、2016年に記者部門に戻り、以降IT・ネット業界を4年半担当。アマゾン、楽天、LINE、メルカリなど国内外大手のほか、スタートアップを幅広く取材。2021年から編集部門にて週刊東洋経済の特集企画などを担当。「すごいベンチャー100」の特集には記者・編集者として6年ほど参画。2023年10月から再び東洋経済オンライン編集部。

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