シェール革命、「むしろ石油に脚光」 出光興産・月岡次期社長に聞く

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――近隣の資源国であり、貿易相手国でもある中国、ロシアとは今後どのような関係を築いていくか。

対中投資は必要最低限、ロシアとの関係は拡大も

中国は非常に難しい相手国であり、当社は必要最低限の投資しか行っていない。石炭関連の販売会社と潤滑油のブレンディング工場、樹脂のコンパウンド工場があるだけだ。十数年前には、大連で現地企業と共同でガソリンスタンドの展開を図ったが、非常に難しいことを実感した。中国は共産党が押さえているマーケットであり、これからも慎重に見ていくべきだと考えている。

むしろ中国は、海外における石油やシェールガスなどの権益取得においていちばんのコンペティター(競争相手)だ。彼らはおカネに糸目をつけず、国営企業を通じ国家戦略として買っているので、対抗するのはなかなか難しい。

一方、ロシアのほうは、ビジネスの可能性が出てきているのではないかと思う。かつてサハリンプロジェクトで最後にひっくり返された経緯もあるだけに注意が必要だが、ロシアとしても資源の売り先を安定的に求めていく意味で、日本は重要な顧客だととらえているはずだ。

当社においても、日本の商社や海外の石油会社を通じてロシア関連のさまざまな案件が来ていることは事実。ただ、まだ具体的に動こうという段階には至っていない。

ロシア側の姿勢は確かに変わってきている。米国のシェールガス増産の影響が回り回ってロシアに及び、天然ガスの主要輸出先だった欧州で思うように売り込みができなくなっている。そうしたフローの変化の表れだといえるだろう。ロシアは資源依存度が高いだけに、止まることが許されないのではないか。

ロシアでは一昨年から、日本の自動車メーカー進出に合わせて潤滑油販売事業も行っている。今度は工場建設も考えているが、段階的に参入して問題点を探りながら慎重にやっていく方針だ。

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