スズキの今期営業利益予想が上ブレするワケ インドの四輪が好調
[東京 4日 ロイター] - スズキ<7269.T>は4日、2017年3月期(今期)の連結業績について利益予想を上方修正した。為替影響はあるものの、インドや欧州での四輪好調などで、営業利益を従来から200億円引き上げた。
富士重工業<7270.T>の株式売却益により、純利益も520億円の上振れを見込む。
今期営業利益は前期比2.4%増の2000億円(従来は1800億円)になる見通し。トムソン・ロイターのスターマイン調査によると、アナリスト21人の予測平均値は1868億円となっている。
今期営業利益予想に対し、為替影響が前期に比べ860億円減益要因になる一方、四輪販売の好調で1077億円が増益要因となる。
想定為替レートは、1インドルピー=1.58円(従来は1.60円)、1ユーロ=116円(同120円)に見直した。
今期純利益は前期比24.3%増の1450億円(同930億円)となる見込み。中間配当は従来予想から2円増配し、17円とすることを決めた。売上高予想は従来の同2.5%減の3兆1000億円を据え置いた。
<四輪世界販売計画引き下げも過去最高に>
4―9月の四輪販売は、欧州が前年同期比15.3%増となったほか、インドでは小型車「バレーノ」などの好調で同12.1%増と過去最高を更新した。インドは通期での販売計画を前期比9%増に引き上げた。
鈴木俊宏社長は会見で、販売・生産体制をしっかり整えて「インド市場の成長についていく」と述べた。同市場の拡大を受け、スズキは同国西部グジャラート州で新工場を建設しており、第1ラインを17年初めに、第2ラインを19年初めに、生産能力はともに年25万台で稼働させる予定だ。
通期の世界販売は日本、中国、インドネシアでの低迷で287万3000台と従来から8万3000台減らしたが、それでも過去最高の見通しだ。4―9月の国内販売は主力の軽自動車が9.3%減だった。鈴木社長は、5月に発覚した燃費データ不正が「販売に影響したとは考えていない。税制(軽自動車税の増税)の影響がむしろ大きい」と述べた。
(白木真紀)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら