ウェブメディアの「検索回帰」が始まったワケ

SNSのアルゴリズム変更に高まる不信感

「Facebookにはこの1年ほどでいろいろな変化が起きたが、我々はしっかり対応し、訴求力のあるコンテンツを制作するノウハウを蓄積してきた」と語るのは、スリリスト・メディア・グループで編集ディレクターを務める、ベン・ロビンソン氏。「とはいえ、ある場所で減少がはじまっていることに気づいたら、自然とほかに目を向けるものだ」。同社は初のSEO専門チームを立ち上げ、ディレクターのベン・マルジェベック氏をはじめ、新メンバーを雇い入れている。

SEO対策がふたたびトレンドに

SEO専門コンサルティング会社ディファイン・メディアのデジタルメディア担当バイスプレジデント、シャザド・アッバス氏は、検索に対するパブリッシャーの考え方に「大きな変化」が起きていると話す。きっかけは、Facebookがニュースフィード内で、パブリッシャーの投稿よりも友達の投稿を優先するようになったことだ。

その結果、パブリッシャーがニュースフィードへの投稿でトラフィックを獲得することが次第に困難になっていった。アッバス氏は、顧客である大手パブリッシャーが、検索関連のスタッフの雇用を増やし、さらに高いレベルでは編集チームのSEOスキルを確実に向上させることに注力する例も目にしてきた。

「パブリッシャーは、かつては信頼し、予測可能だったトラフィックのソースに対して、大混乱をきたしている」と、アッバス氏は語る。

獲得競争が激化するSEO人材

Facebookは自らが気まぐれなパートナーであることを示したが、モバイル記事の読み込みを高速化するGoogleのAMPイニシアチブも、パブリッシャーに参加競争を煽っている。AMPはページを所定の方法でコーディングし、読込時間を増やしかねない要素を取り除くことを求めるものだ。

こちらでもパブリッシャーは大わらわで、AMPのモバイル検索結果のトップに掲出される目立つカルーセルに、どうすれば自社の記事が確実に表示されるか理解しようとしている。もちろん、AMPとは無関係に、Googleはアルゴリムを常時変更しており、それにも対応しなくてはならない。

ニュースとライフスタイル系のパブリッシャーは一様に、検索で得るもののほうが多いと述べている。「検索は、我々が競争優位性を大いに発揮できる分野だ」と、タイム社のグループデジタルディレクターを務めるエドワード・フェルゼンタール氏は話す。

「検索を操る経験と専門知識で、ジョン・ホーキンス(※先述のタイム社に移籍した)ほどの人材は、当社に皆無だった。ニュースであれ、不朽のコンテンツであれ、我々は検索の方がうまくいくと見ている」。

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