アパホテル、急成長の舞台裏 客室数は約3万5000、ビジネスホテル界の風雲児

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12年間で客室は約10倍、3万5303室に急拡大

TVCMなどで以前から知名度の高いアパホテルだが、実はグループが積極拡大路線に転じたのは、2000年代に入ってからだ。00年末に20件だったホテルは(直営・FC店・パートナーホテル込み)、この4月末には累計219件へと膨張した。客室数も3766室から3万5303室まで拡大している。

219件と言えば、東横インの243件、ルートインの同じく243件と、ほぼ肩を並べる。アパの場合、元谷外志雄(もとやとしお)代表がその強烈な個性とリーダーシップで引っ張ってきた。

創業は約40年前の1971年。元谷氏が石川県小松市で、アパの前身である信金開発を設立したのがきっかけだった。建設業や分譲マンションを手掛け、金沢市でホテルに進出したのは84年である。その後、東京23区や大阪など都心へ進出した。

飛躍の転機になったのは、意外にも、08年秋に起こったリーマンショックだ。この年は、ゼファーやスルガコーポレーション、創建ホームズなど、10社を超える上場不動産会社が破綻した年である。

リーマンショックで逆に買い漁る

元谷代表が当時を振り返る。「他の不動産デベロッパーが物件を手放す中、われわれは積極的に買っていった。銀行が他社に回収攻勢をしていたが、ウチは借入金も返していたし、全部自己資金で賄った。今、それらはすべて含み益になっている」。

 量だけでなく、質の面でも進化させていった。従来のビジネスホテルと言えば、サラリーマンが出張時で泊まるだけの簡素な1ルーム。駅近で便利な反面、“ただ寝るだけのために泊まる”場所で、「安かろう、悪かろう」のイメージも強かった。

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