日米の「割高な株価」が維持できなくなる時 市場は問題を見て見ぬふりをしているだけ

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すでにドイツ銀行側がこの金額の減額交渉に動いていると報じられているが、減額に成功したとしても、金額がゼロになることはない。経営への影響は必至だ。

一方で、ドイツ銀行の市場での資金調達コスト上昇・高止まりは避けられない。あの名門銀行が、欧州主要21行の中で、最も高くなっているというのだから驚きである。不良債権に苦しむイタリアやギリシャなどの銀行を上回っていることになり、ドイツ銀行が市場でどのような扱いになっているか、容易に理解できるだろう。

欧州では、ECB(欧州中央銀行)が中銀預金金利をマイナスに引き下げており、さらに大規模な資金供給を実施しているため、本来であれば銀行の短期市場での調達コストはゼロのはずだ。しかし、ドイツ銀行だけが例外的な存在になっているというのが実態である。

報道などによると、ドイツ銀行が資金調達の際に支払う追加金利のコストは、9カ月では0.02%、1年では0.06%だが、他の主要行はいずれもマイナス金利での調達が可能という。これは、借り入れの際に手数料を受け取れる状況にあることを意味する。ドイツ銀行がいかに厳しい状況に置かれているかがわかる。

ドイツ銀行問題が「雲散霧消する」とは考えられず

このような状況になれば、調達コストの上昇が徐々に経営を圧迫し、ある時点で突然破たんするという、銀行破たんによくみられるパターンが想像できる。

ただ、ドイツ銀行がそのようなパターンに入りつつあるかはわからない。株価が崩落状態にあることを考えると、資本増強などのコストは相当上がり、その可能性は徐々に高まっていると考えるのが普通だ。10月27日の決算にも当然注目が集まる。

しかし、その一方で、破たんなどを前提に、金融危機が起きるとか、株価が暴落するなどと考えるのも早計である。あくまで結果が重要であり、その結果を見たうえで判断することが肝要である。ドイツ銀行がここまで追い込まれていることを考慮すれば、この問題、ひいては欧州の一部の金融機関の問題が、特に大きなことも起きず、終焉を迎えるなどとは全く考えられない。これが筆者のホンネだ。

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