もうすぐ1ドル110円時代がやってくる? ドル円は08年のリーマンショック前水準へ戻るのか
09年4月のフシである101円45銭を突破
だが、専門家の間では、100円突破は時間の問題とされてきた。今回の円安局面でも、1ドル90円、95円というフシを抜けるときには、一度では抜けていなかった。しかも、「100円のところでは特殊なオプションが大きく影響してドルの上値を阻んでいた。だが、こうした壁は最後には粉砕されるケースが多い」(国際金融コンサルタントの田代岳氏)。
さらに「すでに4月4日に、マネタリーベースを2年で2倍にするという、日本銀行の異次元の金融緩和が決定されている。一段の円安になるのは既定路線」(国内の有力ヘッジファンド)といった市場関係者の声は少なくなかった。
では、今後の当面のドル円レートでのドルの上値メドは、どの程度におけばいいだろうか。
「ゴールデンウイーク明けのドル円100円突破」をかねてから予想していたみずほ証券のシニアテクニカルアナリスト三浦豊氏は、09年4月のドルの高値である101円45銭をあげていた。この水準を、10日の欧米の時間帯ではすでに抜けてきた。
ただ、前回も書いたように、大半の個人投資家は、目先のレートにあまり一喜一憂しないほうがいい。もちろん、短期でFX取引をしている個人投資家は別だ。そうした「短期のミセスワタナベ」や「短期のミスターマツイ」(もちろん、市場ではそんな呼称はされていない。筆者が松井秀喜氏のファンというだけである)にとっては、一瞬一瞬が大きな勝負になる。
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