アマゾン、グーグルも頼るインフラ屋の正体 なぜ53四半期も増収が続いているのか

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たとえば、金融業界で電子取引が大きく普及したタイミングがありましたね。そのときに、金融企業はエクイニクスにネットワークを求めてきました。迅速さが必要ですから。そのために、当社は金融取引が盛んなパリ、ロンドン、ニューヨーク、フランクフルト、シンガポールに拠点を立ち上げ、外国為替や債券の電子取引に対応できるインフラを作っていきました。フラッシュトレーディングもできるよう進めています。

――金融以外にもエコシステムがありますか。

電子決済、クレジットカード、電子広告などですね。広告ではフェイスブックやリンクトインなどもかかわっています。クラウドもエコシステムを形成していると言ってもいいでしょう。プロバイダーの多くが参加してマルチクラウドを実現していますから。

――2015年に日本のビットアイルを買収し、今年も大手プレイヤーの英テレシティを買収しました。

18年間で130億ドルの投資をし、2016年は10億ドル行う予定です。投資はキャッシュフローや資本市場からの調達で賄ってきました。2007年から現在までで、データセンター数は42から145、18都市から40都市に、ネットワーク数も300から1400、お客様数も2000から8000に拡大しました。

日本市場に積極的に打って出ていく

日本市場に関しては、以前は日本に参入する欧米やアジアのグローバル企業を支援することに注力していたので、日本のお客様にはあまり知られていませんでした。だからこそビットアイルを買収したとも言えますし、ビットアイルの顧客基盤を生かして日本市場でも積極的に打って出たいと思っています。

――インターネット、クラウド、ビッグデータはまだまだ拡大すると。

クラウドは成長初期の段階です。10年、20年は続くのではないでしょうか。IoTも非常に初期にあります。ビッグデータの時代に入って、フェイスブックやツイッター、リンクトインなどSNSからのデータも膨大になっています。GEを例にあげて説明しますと、GEは航空機のエンジンから冷蔵庫まで作っていますが、いろいろな製品がインターネットで接続される状況になっています。すると、メンテナンスの予測や分析することが可能になり、そこでまたデータセンターの需要が高まる要因にもなっています。

――逆に成熟期に入ったテクノロジーはどのようなものがありますか。

ネットワーキングの世界でいうと、MPLS(Multi Protocol Label Swiching)がSDN(Software-Defined Networking)に変わってきています。クラウド化が進むことで、ワードウエアの企業でリスクにさらされているところがあるとみています。

5~7年前の重要なCIOを選ぶとしたら、ヒューレッド・パッカード、デル、IBM、EMCといった企業からでしたが、今はマイクロソフト、セールスフォース、AWSというように、大きなシフトが起きています。今は知られていない企業でも、将来的には非常に大きな企業になる可能性がある。当社はシリコンバレーの企業として、新しい企業の新しい芽にも注目しています。

高橋 志津子 東洋経済 記者

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たかはし しづこ / Shizuko Takahashi

上智大学法学部国際関係法学科卒。東洋経済新報社に入社後は、会社四季報、週刊東洋経済、ムック、東洋経済オンラインなどさまざまな媒体で編集・執筆を手掛ける

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