トヨタ「ランクル」が没個性車にならない理由 武骨ながら絶大な信頼と安心が孤高をつくる
最近では世界的なSUVブームのおかげもあり、若い人たちの支持も得ているそうで、彼らが残価設定型プランを利用して購入するケースも増えてきているという。
トヨタ車は「没個性」の代表のように言われることもある。しかしランクルの場合、アフリカや中東のテレビ中継で当然のように登場しており、状況が過酷になればなるほど孤高の存在になっていく。本格SUVとして世界中で選ばれている事実が、若者にも浸透しているようだ。逆に言えば、クルマ離れと言われていても、強烈な個性を持った車種は、進んで買いに行くのである。
さらにトヨタでは近年、ランクルの圧倒的な走破性や安全性を体験できるイベント、その名もランドクルーザーフェスを全国各地の販売店で開催している。こうしたユーザー向けのイベントも、裾野の広がりに貢献しているようだ。
乗る人を安心させる要素
もうひとつランクルには、乗る人を安心させる要素がある。リセールバリューの高さだ。信頼性や耐久性が並外れていることもあって、ランクルは国産車としては値落ちが少ない。若い人が残価設定型プランを使って買おうという気にさせる理由のひとつにも、価値が下がらないことが関係しているそうだ。
ランクルと並ぶ本格SUVブランドとしては、ほかに米国のジープ、英国のランドローバーがある。昔は3ブランドとも、ラダーフレーム、リジッドアクスル式サスペンション、ローレンジという、悪路走破性を高めるために必須のメカニズムを全車種に搭載していた。
しかし現在のジープとランドローバーは、モノコックボディに4輪独立懸架を組み合わせ、ローレンジを持たない車種も多い。4WDではないモデルさえあるほどだ。モノコックボディでも相応の剛性は得られるし、電子制御によって滑りやすい路面でのスリップや下り坂でのスピードを抑えることができるので、リジッドアクスルやローレンジは不要と考えているようだ。
しかしランクルは、200とプラドではオンロード走行を考慮して前輪のみリジッドアクスルから独立懸架に変更したものの、ラダーフレームやローレンジは全車が堅持しており、そのうえでステアリング操作だけで悪路を走破していけるクロールコントロール、路面状況に適した走りを5モードから選べるマルチテレインセレクトなどのデバイスを追加している。
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