西のレンガ外壁復元、ダイビル本館の建て替え進む
東では東京駅の赤レンガ復元が話題だが、西の大阪でもレンガ造りの外壁を持つ由緒正しいビルが復元されている。大阪市中之島で建て替えが進むダイビル本館だ。
建て替え中のダイビル本館は、低層部と中・高層部とに分かれており、全体としては地上22階、地下2階、塔屋2階、延べ床面積4万8153平方メートル。高層部は以前から見えていたのだが、9月下旬になり、ついにその低層部のカーテンウォールが外れ外壁が姿を現した。旧本館の正面玄関にあった「鷲と少女の象」を再現する彫刻部分がいまだ完成していないものの、ほぼ創建当初の姿が再現されている。
約90年前が復元されたレンガ造りの低層部と近代的なガラス張りの高層部という新旧がマッチした新本館は、周りの景観にも違和感なく溶け込む、旧ビルのランドマークを引き継ぐビルとなっている。
解体前の旧ダイビルは、ネオ・ロマネスク様式の名作として評価が高かった。歴史的建造物の保存という見地から取り壊しを惜しむ声が多かったという。渡辺節が設計した旧ダイビル本館は1925年(大正14)年に完工、地上8階、地下1階、延べ床面積3万2231平方メートルを有する、当時としては西日本随一のビルだったという。
(解体前の旧ダイビル本館)