水戸岡デザインの「富士山ビュー特急」初公開 富士急行の新観光列車、4月23日に運行開始

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 当初発表された富士山ビュー特急のイラストは茶色いカラーリングをしており、371系の新幹線のようなカラーリングを見慣れていたファンの間では賛否両論があった。

しかし、この日公開された車両の色は茶色というよりは、日の当たり具合によってはむしろ赤に近い。青い空と富士山をバックにこの車両が疾走する姿は力強さを感じさせる。

意図的に赤っぽくしたわけではない。「当社の富士登山電車と同じ“さび朱色”でカラーリングしています。特急列車ということでメタリック塗装をしたことで確かに赤っぽく見えますね」(富士急行広報)。

水戸岡デザインの観光列車2本に

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富士登山列車も水戸岡氏のデザインだ

富士山ビュー特急と富士登山電車。水戸岡デザインの観光列車を富士急は2本抱えることになったが、どう使い分けていくのか。JR九州は水戸岡デザインの観光列車を数多く所有しているが、基本的には1路線に1本。これに対し富士急は1路線しかない。

富士急は「2つの車両の使い分けについてはこれからの課題」としながらも、「富士登山電車は気軽に乗ってもらえる電車。富士山ビュー特急はアッパーグレードな列車ということになる」という。

富士山ビュー特急は車内でスイーツやドリンクの提供を行う。内装も普通の列車とは違う、木を生かしたホテルのような空間だ。

この日、河口湖駅は訪日外国人観光客であふれかえっていた。いまや平日の利用者の9割が訪日客だという。富士山ビュー特急はこうしたインバウンド需要の取り込みも狙っているのか。こんな質問に対し、次のような答えが返ってきた。「訪日客は増えているが、逆に日本人の利用者は減っている。富士山ビュー特急の投入で国内需要の掘り起こしにつなげたい」。

ただ、この日の河口湖駅では、駅に降り立った多くの訪日客が富士山ビュー特急の姿をカメラに収めていた。きっと外国人も乗ってみたいと思うだろう。アニメや食事と並び、鉄道も外国人の興味の対象になる日がやってくるかもしれない。

大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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