MBA経営代表・山田修(Part1)--転職のコンサルタントの人とは、20年間付き合いましょう

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--なぜポント・データを辞められたのでしょうか。

日本支社は素晴らしいパフォーマンスを上げていたのですが、本社が倒産してしまったんです。忘れもしません。3月の第1月曜日のことです。出社したら、先に来ていた秘書から金曜日付のファクスを渡されました。「2月の最終金曜日をもって本社のオペレーションは停止します。各国の子会社は清算の手続きに入るように」といった内容が書かれていたんです。オンラインのデータ提供サービスなので、顧客はリアルタイムで海外の株価などを見るのですが、月曜日の朝、端末が動かないわけですよ。ファンドマネジャーなどは何千億円と扱っているので、情報にアクセスできないとたいへんなことになります。月曜朝一番の9時に、顧客30数社から「技術障害ですか」と一斉に電話がかかってきてたいへんな騒ぎになりました。その後数週間はお詫び行脚の日々です。サービスがいっさい提供できないうえに、前払いしてもらったおカネもお返しできないことを説明し、謝らなければなりませんでした。儲かっていたのでお返しするおカネは口座にあったのですが、倒産となると特定の会社に支払いをしてはいけませんと弁護士から言われており、お返しできなかったんです。

--倒産してしまった場合、次の仕事はすぐ見つかるものなのでしょうか。

ポント・データの社員は10人おりまして、全員の退職金手続きと再就職の世話をした後、エージェントを通じてお話をいただきました。倒産したとはいえ、社長としての責任がありますので、債務に関する訴訟は転職後も3年ほど続きましたけどね。

これからエグゼクティブとして転職をお考えの方には、コンサルタントの人と仲良くすることをお勧めします。中間管理職くらいまでは、転職サイトに登録をして声がかかるのを待つスタイルが一般的ですが、エグゼクティブの場合はそれだけではダメです。気が合い、自分を評価してくれるコンサルタントの人を見つけ、20年間くらい付き合うことが大切です。20年親しくするのでお年寄りではなく、自分と同じか若いくらいの年齢で伸びていきそうな人を見つけましょう(笑)。

私は幸か不幸か外資の世界では知られた人間ですので、名のあるエグゼクティブファームとはほとんどお付き合いがあります。あるときはキャンディデート(候補者)として始まり、転職後はクライアントとして人材を紹介してもらい、エージェントを使うのです。これを繰り返して強い信頼関係を築くと、ずっと案件を持ってきてくれますよ。私はこのやり方でずっと転がってきました(笑)。

(写真:梅谷秀司)

やまだ・おさむ
 1949年生まれ。学習院大学・大学院修士卒(国文学)。 サンダーバード国際経営大学院MBA、元同校准教授及び元日本同窓会長。20年以上に渡り外資4社及び日系2社で経営専門家として社長職を歴任。不調業績をすべて回復させるなどして「再建請負経営者」と評された。フィリップス社長在任中に経営学博士課程を修了し「MBA社長」の異名も。「売れる仕組みと儲かる仕組みの構築」を早くから提唱、組織戦略とコミュニケーションを重視している。ブログ「戦略経営 山田修」を執筆。

■CEOへの道は、エグゼクティブ向けの人材会社・リクルートエグゼクティブエージェント主催のセミナー「Road to CEO」との連動企画です。

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