欧州で大きな踏切事故がなぜ減らないのか? オランダでは立体交差化が進みにくい事情も
ドイツ南部で発生した、列車正面衝突事故の記憶がまだ覚めやらぬ2016年2月23日午前9時頃(現地時間)、今度はオランダ東部ダルフセン(首都アムステルダムから約90km)でまたしても大きな列車事故が発生した。踏切へ進入したクレーン車に、ツヴォレから東へ向かっていたローカル列車が衝突して横転、列車の運転士が死亡したほか、複数の乗客が重軽傷を負って病院へ運ばれた。
現場周辺は畑となっており、線路はほぼ直線で列車はかなり高い速度で走行していたとみられ、列車は衝突の勢いで大きく線路を外れて横転、運転席周辺は大破しており、衝撃の大きさを物語る。警察は、事故直前に車外へ脱出し難を逃れた、クレーン車の運転手を拘束し、取り調べを進めているという。
「ラッシュ後」が不幸中の幸い
乗客の数は15人程度とみられ、ラッシュ時間帯を過ぎていたことから、事故の大きさの割には死傷者の数が少なかった。ダルフセン市長のハン・ノッテン氏は会見で「死傷者の数が少なかったことは不幸中の幸いだった。実際、この路線は朝夕のラッシュ時間帯になると、非常に多くの利用客がおり、時間がずれていれば被害は甚大なものとなっていただろう」と述べている。
現場付近の住民は、「台所にいたら、外で激しい衝突音が聞こえ、慌てて外を見たら列車が線路上を横倒しで滑っていくのが見えた」と語った。また別の目撃者は、反対方向の列車が踏切を通過した後、クレーン車が非常にゆっくりしたスピードで踏切へ進入したと語っている。
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