上西京一郎・オリエンタルランド社長--本当に顧客志向なのかをゼロベースで再度見直す

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 ゲストサービス向上には、キャストのモチベーションアップがいちばん大切だと思う。たとえば現場からの提案を年に一度募集する「アイ・ハブ・アイデア」には、多くの準社員が参加する。よいアイデアはもちろん取り入れるし、こうした取り組みによって、現場の人たちもどんどん考えるようになる。

1983年の開業以来続けるのが、仲間同士でゲスト対応に秀でたキャストを褒めたたえ合う「スピリット・オブ・TDR」。年1回、そのキャストやグループをみんなの前で表彰している。そうすると非常に盛り上がるし、チームワークというか、一体感が醸成される。冬の閉園後にわれわれスタッフが、準社員をパークに招待してもてなす「サンクスデー」もある。

もう一つ挙げたいのが「ファイブスターカード」。管理職がパークをウォークスルー(巡回)して、ゲストに対してよい行動をした、あるいは笑顔がすてきだったという場合に、キャストに直接カードを手渡す。

私も土曜日にはパークを回るようにしている。社長就任後に渡したカードは10枚ぐらいかな。でも、本当に渡したいと思っているのは、その5倍はある。こうした取り組みによって、キャストが自ら積極的に行動する姿勢を持つことが重要だ。

--サービスに関してCS(顧客満足)が先か、ES(従業員満足)が先かという議論があります。

理論的にはさまざまな視点があると思うが、うちの実態からいえば、まずESありき。それは社内でのESもあるし、ゲストに喜んでもらうことが自分の喜びになるという点でのESもある。それがあるからこそ、いい回転をしているのだ。

新規事業は10年スパンで考える

--新経営体制では加賀見(俊夫)会長が留任しました。加賀見さんとの役割分担はどうなりますか。

基本的には加賀見が会社の大きな方向性を見極め、それを確実に実行していくことが私の責任になる。

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