新型検索が続々と登場 迎え撃つグーグルの自信

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新型検索が続々と登場 迎え撃つグーグルの自信

「ウェブはサイズが拡大しているだけでなく、内容も豊かになっている。検索サービスの進化は終わらない」--。約1年ぶりに来日した米グーグルのマリッサ・メイヤー副社長は自信たっぷりな面持ちでこう語った。

検索技術部門を担当するメイヤー氏は、グーグル草創期の1999年に入社。同社の発展を支えてきたキーパーソンの一人でもある。会見では「フュージョン・テーブルズ(複数のデータベースを融合できるサービス)」や「ボイス・サーチ(音声認識の検索)」など、開始間もないサービスを披露した。

一方、強力な個性を持った検索サービスが登場していることにも言及した。「新しい考え方に基づく検索サービスが次々に生まれており、この2~3カ月は、これまででいちばん興奮している」(メイヤー副社長)。

たとえば、英国生まれの科学者スティーブン・ウルフラム氏が開発した「ウルフラム・アルファ」。5月18日から一般公開されており、「史上初の計算知識エンジン」と称するように、データ利用や組み合わせ表示に強みを持つ。「GDP Japan」と入力して検索すれば、日本の過去のGDP推移が時系列グラフで表示される。また、「GDP Japan/China」とすれば、日本と中国のGDPの倍率がグラフ化される。キーワードだけでなく、自然文の検索にも対応している。

グーグル最大の敵であるマイクロソフトも、米国内シェア10%(グーグルは60%以上)という劣勢を挽回するべく、6月1日に新検索サービス「Bing(ビング)」を開始。自社開発の検索エンジンとしてはこれが3代目。今回は、買い物、地域情報、旅行情報、医療情報の4カテゴリを集中的に強化した。総合的なサービスを行いつつも、特定分野の強みを際立たせることで、グーグルの牙城を切り崩そうという狙いがある。

だが、これら新型エンジンに対しメイヤー副社長は「詳細に研究している」と言う。確かに、最近のサービス展開を見ると、ウルフラム、ビングを意識した新サービスも目立つ。競合サービスを警戒しつつ、優れた点を素早く取り入れようとする柔軟性を持ち合わせているかぎり、世界検索シェア7割に及ぶグーグルの地位は簡単に揺らぎそうもない。

山田 俊浩 東洋経済 記者

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やまだ としひろ / Toshihiro Yamada

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。東洋経済新報社に入り1995年から記者。竹中プログラムに揺れる金融業界を担当したこともあるが、ほとんどの期間を『週刊東洋経済』の編集者、IT・ネットまわりの現場記者として過ごしてきた。2013年10月からニュース編集長。2014年7月から2018年11月まで東洋経済オンライン編集長。2019年1月から2020年9月まで週刊東洋経済編集長。2020年10月から会社四季報センター長。2000年に唯一の著書『孫正義の将来』(東洋経済新報社)を書いたことがある。早く次の作品を書きたい、と構想を練るもののまだ書けないまま。趣味はオーボエ(都民交響楽団所属)。

 

 

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