9日午後、長期金利が史上初のマイナスに マイナス幅は一段と拡大する可能性
[東京 9日 ロイター] - 9日の円債市場で、10年最長期国債利回り(長期金利)<JP10YTN=JBTC>が史上初のマイナス金利を付けた。国内銀行勢は追加利下げを織り込み、一段と買い進むと予想され、世界経済の減速懸念を背景に、海外勢も日本国債の物色を強めている。リスク回避の流れは一段と高まり、長期金利はさらにマイナス幅を深くしそうだ。
「オーバシュートではない」との声も
9日の円債市場では、10年最長期国債利回りが一時、前営業日比7ベーシスポイント(bp)低いマイナス0.035%と史上最低水準を更新した。
午後の取引序盤に初のマイナス金利を付けた後、事前に警戒感があった30年利付国債入札を無難に通過すると、一段と利回りに低下圧力がかかった。
日銀のマイナス金利導入決定でも止まらないドル安/円高の進行や株安により、市場参加者は追加緩和を織り込んでいるとの見方が大勢。「追加緩和の有効性は別問題にして、黒田日銀総裁は今回のマイナス0.1%より大きいマイナス金利を実施することは可能としている。その点が材料視されている」(国内金融機関)という。
みずほ証券・シニア債券ストラテジストの丹治倫敦氏は「日銀が足元の金利を押し下げることを宣言し、さらに引き下げる可能性がある以上、中短期ゾーンの金利が下がるのは当たり前だ。金利の低下のスピードが速い気がするが、オーバシュートではない」とみている。