「競技」ゴルフからそろそろ「愉しむ」ゴルフ!?

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キャスター/小倉智昭

 
 私のゴルフは、まだ立ち直らない。ひどいままだ。前回、最近のゴルフが悲惨な結果を生んでいると書いた。あれから4回プレーしたが、最高で86、平均ストロークは92である。昨年前半の絶好調時は21回で78・2、後半は崩れ始めて82、特に10月以後、番組が忙しくなってからは88と急下降。年明けからは90を切れなくなっていた。

メタボの腹と体のかたさ。練習不足に腰の病気と原因は数多い。ただ、ここまで悪くなるとは想像したこともなかった。この1カ月で細かなチェックをしてみたが、腰からくる左足の痺れのせいか、ひざが伸びて、アドレスの姿勢を保てない。それを意識しすぎると、今度はまったく足が動かなくなる。まさに負の連鎖だ。

年齢の衰えをカバーするために、簡単なクラブに変えてみたことも影響した。ボールをつかまえやすい、やや先調子の柔らかいものにしたのが裏目に出てしまったようだ。ヘッドが大きく、ライ角はアップライト、フェースは左を向いているので、構えたときに違和感があり、左に引っかかりそうな気がする。元来、私のクラブは、ライ角はフラットで、ストレート。ブレードも薄いものが好みである。ライ角はアップライトになればなるほど、左を向いているように見える。しかも、ロフトが大きいドライバーは、フェース面が見えやすいから、なおさら左を向く。

クラブを変えずに、通常のアドレスをとると、絶対に左に行くという思い込みが生まれる。どうやって直すか。ボールを右目に置き、グリップを左に寄せて、ハンド・ファストの状態に。するとフェースが正面を向くように見えるため気持ち悪くない。ところが結果は、スイングが窮屈になり、ボールは思うように飛ばなくなった。

思い切って、絶好調だった3年前のアイアンに戻してみた。顔も小さいし、シャフトもトルクが少なく、手強そうな感じすらする。しかし、構えてみると実にすっきりしていて、左に行く気がしない。力が衰えた分、飛距離はワンクラブ落ちてはいるが、曲がらないのがいちばんだ。ショート・ホールでやっとワンオンするようになってきた。

ドライバーは、容積の大きなヘッドは、従来の9度ではボールが上がらないため、10・5度で、なるべくストレートなものを中古店で見つけた。シャフトはやや先調子の限定品でピッタリのものがあったので購入。過去の距離は出ないと、自分に何度も言い聞かせ、フェアウエイを外さないのを第一義とした。

何度もプレーしたコースでは、「ここまでしか飛ばない」のは一目瞭然。悲しいものはあるが、それが年齢の衰えである。達観するのに時間は要するだろうが、その分、アプローチやパターの精度を高めればいい。競技ゴルフを目指したが、どんなスポーツにも引退はある。そう思えば楽になって、調子が上がってくるかも……。

キャスター/小倉智昭(おぐら・ともあき)
1947年秋田県生まれ。東京12チャンネル(現テレビ東京)アナウンサー出身。76年フリーに。現在は『とくダネ! 』(フジテレビ系)や『嵐の宿題くん』(NTV系)、『小倉智昭のラジオサーキット』(ニッポン放送)の司会を務めるなど、幅広く活躍中。
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