東京人を都内観光させる「はとバス」の発想力 集客低迷からの「奇跡の復活劇」を遂げた!

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「関東周辺の人にも、あらためて東京を見てもらいたい」(田中康之・総合企画調整部長)との発想から、はとバスは従来の定番コースに加え、テーマ性の高い「はとバス劇場」ツアーを矢継ぎ早に投入していった。

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通常は入れない場所から工場群の夜景を見学できるのが魅力

たとえば「話題の川崎工場夜景スポット」。通常は入れないエリアから京浜工業地帯の工場夜景を見せる。

また、「横須賀軍港めぐりと無人島『猿島』探検ツアー」では、海上自衛隊や米海軍の軍艦を間近で見せた後、東京湾で唯一の無人島・猿島に上陸する。

猿島は太平洋戦争終結まで、東京を守る要塞として機能していた。「猿島のツアーは、若い人にも人気です。『CanCam』(小学館)でも取り上げられた。「いまの若い人は、どこか遠くに行くのにも車に乗らないんです。そういうことも人気の理由かもしれませんね」(田中部長)。

“寅さん”で有名な東京の葛飾区柴又のように都心からのアクセスが必ずしも便利とはいえない場所は、まさにふさわしいコースのようだ。

もう一つのキーワードである「食事力」とはなんだろう。

「食」こそ、はとバスの醍醐味

「乗客からのアンケートはがきをこまめにチェックしてみると、食事についての反響が大きい」(田中部長)という。そのため、「はとバス劇場」では食事メインのツアーがある。たとえば「新はとバス食い道楽」は、銀座の人気すし店でのにぎりずし食べ放題、浅草の老舗ではうな重をメインにしている。

「はとバス鍋奉行~冬の陣~」では、本場・両国でのちゃんこ鍋と浅草の名店での牛鍋をメインに、柴又・浅草の観光を組み合わせている。「昼も夜もこんなに食べられるものかと思われがちですが、みなさんしっかり食べてます」(田中部長)。

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