東京人を都内観光させる「はとバス」の発想力 集客低迷からの「奇跡の復活劇」を遂げた!

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一般ツアーの企画商品でも食事にはこだわる。

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億万長者がたくさん出た「西銀座チャンスセンター」で購入するツアーは宝くじ攻略法の解説も(チャチャ/PIXTA)

「『年末ジャンボ宝くじ購入』と金運祈願」といった一般のツアーでは、多くの一等当選者を輩出した「西銀座チャンスセンター」での年末ジャンボ宝くじ購入、神田明神での金運祈願がメインだが、そこに築地の老舗店でのふぐ料理を組み合わせている。ふぐは下関や北九州では縁起を担いで「ふく」(=「福」)と呼ばれるためだ。

ほかにもパンフレットに掲載されているお店を見ると、名店がズラリ。有名ホテルのバイキングなどもある。クリスマスの時期には、イルミネーション見物とホテルでのコース料理が組み合わされる。

「食べ物は大きなウエイトを占めます。食事がいいとコースの価値が上がるんです」と田中部長は商品企画の中での食事の持つ重要性を強調する。

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2階建てバスは移動中の「自撮り」に最適

はとバスツアーのメイン客は中高年層だが、最近は若い人が増えてきたという。「若い人は、自分の写真を撮ってSNSにアップすることが多い。その点、はとバスツアーはいろいろな景色を背景に『写メ』を撮りやすい。自撮り棒持参で参加する人もいます」(田中部長)。

地方の人や外国人にとって、はとバスは東京を知るための有効な手段である。しかし、都内に住んでいる人にとっても、はとバスは「非日常」を映し出してくれるため、関心が高い。はとバスのシートに身を委ねてみれば、魅力ある東京とともに、美味しい食べ物も満喫できることは間違いない。

 

小林 拓矢 フリーライター

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こばやし たくや / Takuya Kobayashi

1979年山梨県甲府市生まれ。早稲田大学卒。在学時は鉄道研究会に在籍。鉄道・時事その他について執筆。著書は『早大を出た僕が入った3つの企業は、すべてブラックでした』(講談社)。また ニッポン鉄道旅行研究会『週末鉄道旅行』(宝島社新書)に執筆参加。

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