東京人を都内観光させる「はとバス」の発想力 集客低迷からの「奇跡の復活劇」を遂げた!
一般ツアーの企画商品でも食事にはこだわる。
「『年末ジャンボ宝くじ購入』と金運祈願」といった一般のツアーでは、多くの一等当選者を輩出した「西銀座チャンスセンター」での年末ジャンボ宝くじ購入、神田明神での金運祈願がメインだが、そこに築地の老舗店でのふぐ料理を組み合わせている。ふぐは下関や北九州では縁起を担いで「ふく」(=「福」)と呼ばれるためだ。
ほかにもパンフレットに掲載されているお店を見ると、名店がズラリ。有名ホテルのバイキングなどもある。クリスマスの時期には、イルミネーション見物とホテルでのコース料理が組み合わされる。
「食べ物は大きなウエイトを占めます。食事がいいとコースの価値が上がるんです」と田中部長は商品企画の中での食事の持つ重要性を強調する。
はとバスツアーのメイン客は中高年層だが、最近は若い人が増えてきたという。「若い人は、自分の写真を撮ってSNSにアップすることが多い。その点、はとバスツアーはいろいろな景色を背景に『写メ』を撮りやすい。自撮り棒持参で参加する人もいます」(田中部長)。
地方の人や外国人にとって、はとバスは東京を知るための有効な手段である。しかし、都内に住んでいる人にとっても、はとバスは「非日常」を映し出してくれるため、関心が高い。はとバスのシートに身を委ねてみれば、魅力ある東京とともに、美味しい食べ物も満喫できることは間違いない。
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