日本ハム「新球場」、完成を阻む数々の難問

JR新駅、用地買収、建設資金など課題山積

そして、現段階でまったく具体策が見えていないのが肝心な資金計画だ。市は今年7月時点で市が負担すべき一連の費用を124~211億円と見積もっている。内訳は、公園整備費用が4~6億円、道路整備費用が80~120億円、上下水道整備費が10~15億円、そして鉄道駅の整備費用が30~70億円である。

鉄道駅は、新駅の設置と北広島駅の増改築の両方で対応する案が有力だが、新駅の建設にあたっては、市は請願駅(新駅ができることで利益を得る自治体や企業が必要資金を負担してJRに造ってもらう駅)を前提としており、JR北海道に建設資金自体の負担を求める考えはない。そもそも赤字続きで国に400億円もの支援を求める身であるJR北海道に、負担できる余地はない。

市としても資金を民間に頼る考えはなく、市が市債もしくは国等の補助金で賄う前提だ。あくまでこの時点での試算に過ぎないだけに、金額には幅もあるが、これだけの負担をした場合、市の財政にどの程度影響を及ぼすのだろうか。

北広島市の2017年度の歳入は243億円であるのに対し、歳出は239億円。実質単年度収支はかろうじて黒字だが、歳入には毎年ほぼコンスタントに26~27億円程度の市債発行収入が含まれている一方で、市債償還支出もコンスタントに22億円前後発生している。必要な費用の総額は現時点の1年分の予算額に匹敵する。今年3月末時点の市債残高は261億円あり、一連の費用を満額市債で賄えば、市債残高は1.5~1.8倍に膨れ上がる。

市はボールパーク建設による経済効果を年間150億円と見積もる一方で、税収増は年間10~20億円、土地使用料収入も1億円程度しか見込んでいない。スタジアムの底地などについて土地使用料は免除、固定資産税・都市計画税は10年間免除としているためだ。

2月3日に市内の芸術文化ホールで開催された「ボールパーク構想シンポジウム」の場で、上野正三北広島市長自ら、市の財政を圧迫するような無理な負担はしないと宣言している。要は、返済する必要がない資金を国や北海道から調達する必要があるわけだが、具体策は明らかにされていない。

600億円は誰が出すのか

スタジアムの建設資金600億円は、来年9月に設立予定の新会社で調達する。資本金は200億円超を予定、議決権の3分の2超にあたる66.7%を日本ハムグループが保有し、残る33.3%はパートナー企業から拠出してもらう計画だという。

残る400億円は、親会社の日本ハムが出資ではなく融資の形で拠出する予定だが、日本ハムグループが拠出する66.7%については、球団が筆頭株主になるということは公表されているが、具体的な内訳は非公開。

さらに、この金額を来年9月の新会社設立までに準備するのか、或いは開業までに段階的に準備するのかどうかも「検討中」(日本ハム広報)という。

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