日立製車両が架線切断、ロンドン鉄道大混乱 試験列車でトラブル、一体何が起きたのか?

拡大
縮小
日立製車両のクラス800。今回、架線を切るトラブルを起こしたのは同タイプのクラス802だ(筆者撮影)

ロンドン最大級の鉄道ターミナル・パディントン駅発着の全列車が臨時運休―――。10月17日(イギリス時間)の通勤ラッシュ時、信じられないようなニュースが飛び込んできた。

運休の原因は前日夜、本線上を試験走行していた日立製新型車両が架線をひっかけ、500mに渡って「激しく損傷した」からだという。同駅は平日は1日当たり10万人が利用し、空の玄関・ヒースロー空港と市内を結ぶ特急列車の発着点にもなっている。はたしてどんなトラブルだったのか。

トラブルは新型「クラス802」

パディントン駅には、イングランド南西部やウェールズ方面とをつなぐグレートウェスタン鉄道(GWR)が乗り入れている。

同鉄道には、日立が製造したインターシティエクスプレストレイン(IET)が走っている。今回トラブルを起こしたのは、パディントンとイングランド西部のデボン州やコーンウォール州を結ぶ列車に使われる「クラス802」と呼ばれる車両。ウェールズ方面への路線で使われる「クラス800」と同様、電化区間だけでなく、非電化区間でもディーゼル発電機を回すことでそのまま乗り入れできる「バイモード」車両だ。イングランド西部へのルートはロンドンから距離が遠いことに加え、勾配がきつい場所もあるため、クラス800に比べて燃料タンクが大きめなのが特徴だ。

すでに日立は「クラス802」の最初の数編成をGWRに引き渡しているが、今回トラブルを起こしたのは、まだ日立側が所有する、試験走行に使う編成だったという。

次ページ原因は架線なのか、それとも車両なのか
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT