訪日外国人旅行者の増加に伴い、日本の鉄道を利用する外国人も多くなった。そんな彼らにとって、初めて乗った日本の鉄道は、どんな印象なのだろうか?新幹線のスピードに驚き、都会では頻繁にやってくる列車の時刻の正確さに感嘆する。その一方で、せっかく利用したのに、がっかりすることもあるという。そうした「期待はずれ」の声は、実は日本人にとっても、言われてみれば不便に感じたり、欠点だと思ったりしていることなのだ。
新幹線の車窓は期待外れ?
1)富士山は見えるけど・・・
東海道新幹線は「ゴールデンルート」と呼ばれ、外国人旅行者の利用も多い。それだけに、便利な乗り物との感想がある一方で、苦情や落胆の声も多く寄せられている。
まずは、車窓について。訪日外国人にとって、日本を代表する車窓と言えば富士山であろう。特に、新幹線から眺める富士山は定番中の定番である。下り列車であれば、三島を過ぎてから新富士付近を通過するまで、運が良ければ右手にバッチリその麗姿を見ることができる。
しかし、手前には工場が林立し、煙突も一杯で、なかなかすっきりした富士山の車窓とはならないのだ。ある意味、期待はずれの車窓かもしれない。ある意味で日本的な景観と言ってしまえばそれまでであろう。あるいは、JR御殿場線や富士急行線の車窓の方がいいと教えてあげたいところだが、そこまで寄り道のできる外国人は多数派ではない。
東海道新幹線の車窓と言えば、浜名湖や伊吹山も見どころの一つである。だが山陽新幹線の区間に入ると俄然トンネルが多くなり、瀬戸内海の眺めなどは徳山駅付近以外、全く期待できない。北陸新幹線は、日本海や立山連峰の車窓が注目ではあるが、とにかくトンネルが多く、速さと引き換えに失ったものが山ほどあることを実感するであろう。
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