習近平はなぜそこまで台湾にこだわるのか? 舛添要一が読み解く「中国屈辱の近代史」と「北洋艦隊壊滅の地」に立った男の執念

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近代以降、中華民族は苦難の連続で、多くの犠牲を払ってきた。……改革開放以来、われわれは歴史的経験を総括し、絶えず粘り強く模索を重ね、ついに中華民族の偉大なる復興の実現に至る正しい道を探り当て、世界の注目を集める成果を挙げた。この道のりこそが、中国の特色ある社会主義にほかならない。
……アヘン戦争以来、170余年の奮闘を続け、中華民族の偉大な復興は、明るい未来を見せている。現在、われわれは歴史上のどの時期よりも、中華民族の偉大な復興の目標に近づいている。歴史上のどの時代よりも、この目標を実現させる自信と能力を持っている。すべての人が追い求めるものを持っており、皆自らの夢を持っている。
現在、皆が中国の夢について語っているが、私は中華民族の偉大な復興を実現することこそが、中華民族が近代以来抱き続けてきたもっとも偉大な夢であると思う。……ひとりひとりの前途・運命はすべて国と民族の前途・運命と密接につながっている。国と民族が繁栄してこそ、人民ひとりひとりの未来は明るくなるのである。中華民族の偉大な復興の実現という栄えある、しかし困難極まる事業を成し遂げるには、幾世代にもわたる中国人が共に努力していく必要がある。
……中国共産党創立100周年を迎えるまでに小康社会を全面的に達成するという目標と、新中国成立100周年を迎えるまでに富強・民主・文明・調和の社会主義現代国家を築き上げるという目標を必ず達成することができ、中華民族の偉大な復興の夢は必ずかなえられるということを、私は固く信じている。

習近平は「アヘン戦争」に触れ、170余年の「奮闘」の歴史を回顧している。そして、改革開放政策の実行以来、目覚ましい発展を遂げたことを誇るのである。

この演説から2026年2月までに13年の年月が経過したが、中国は年率5%以上の経済成長を続け、先端技術の開発で世界をリードし、軍事力も拡大して人民元の国際通貨化も進んだ。習近平は、着実に「中国の夢」を実現してきている。その意味では、この現代の皇帝は公約を果たしていると言えるだろう。

屈辱の歴史の象徴・台湾

台湾の対岸にある福建省で17年間勤務した習近平は、台湾には特別の思い入れがある。「中華民族の偉大な復興」を実現するには、台湾を統一することは不可欠の条件である。「一つの中国」は毛沢東以来、中国の政権の主張であり、それは日米両国をはじめ国際的にも認められている。習近平からすれば、台湾独立など論外である。

2018年6月12日、上海協力機構(SCO)の青島サミットを終えた習近平は、山東省を視察した。午前中に青島海洋科学・技術試行国家実験室を訪ねたあと、列車で発ち、威海(旧・威海衛)に到着した。同地は李鴻章が率いる北洋艦隊の拠点があったところで、日清戦争で日本軍の攻撃を受けて1895年2月、北洋艦隊は壊滅した。その後、清は敗北し、下関条約で台湾を日本に割譲したのである。

習近平は船で北洋艦隊の母港のあった劉公島に向かい、甲午戦争(日清戦争)博物館展示館で、展示物の説明を受けた。劉公島は屈辱の歴史の象徴とされ、中国近代史を学ぶ場所になっている。劉公島訪問も、前述した北京の中国国家博物館での「復興の道」展示会見学と同様に、屈辱の近代史を見つめ、「中華民族の偉大な復興」の必要性を国民に認識させる行動である。

そして、彼は甲午戦争博物館展示館で、「長く警鐘を鳴らし、歴史の教訓を銘記する必要がある。13億あまりの中国人は発奮して強くなる必要がある」と述べた。

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